⇒ 自然・科学系記事一覧

当ページと関連する話題

植木鉢で瓢箪作り成功

節電するために「緑のカーテン」つくりが盛んです。
緑のカーテンには朝顔やヘチマ、ゴウヤなどの蔓性植物が使われますが、プランターなどの鉢植えでは大きくならないので緑のカーテンとしての効果は期待できません。
鉢植えは植物を大きくする地力が限られ、それ以上に深刻なのが日中の暑いときに根まで温まってしまうことです。

多くの植物に言えることですが、地上部は灼熱の太陽に曝されても根は冷涼を好みます。
(夜間は葉茎も冷涼を好みます)
「緑のカーテン」としての効果を望むなら、ヘチマやゴーヤなどより、耐寒性のあるキウィ(または原種のサルナシ)、アケビなどが向いています。
ヘチマやゴーヤでは毎年発芽から始まるので、暑くなる7月には間に合いません。
果実の収穫を兼ねれば ブドウも良いのですが、雨の多い日本では病気にかかりやすく、また、実が熟すと大型の野鳥が実を食い散らかします。
どうしてもブドウを植えたいときには、病気にかかりにくい野ブドウやアメリカ種のブドウが適しています。

今回は緑のカーテン効果は期待せず、灼熱に曝される屋上で千成瓢箪を栽培してみました。
鉢は、直径50cmほどのプラスチック製です。
素焼きの鉢が適していますが、大型の鉢は高価かつ重いですからプラスチック製で我慢しました。
鉢には畑土を入れ、最低気温が15度以上になった頃、一晩水に浸した瓢箪の種を蒔きました。
一晩水に浸しても浮いてしまう種子は蒔いても芽吹かないので棄てます。
千成瓢箪の芽だしと花の写真
2012年4月3日瓢箪の種子を鉢に蒔く
5月2日頃、二葉が出る(上写真中央)
7月初旬、花が咲き始める。花数は雄花の方が雌花より圧倒的に多く、 雌雄の花は午前中早い時刻にしぼんでしまう
(上写真右:雌花 花の下に瓢箪になる子房が膨らんでいる)

千成瓢箪の雄花と雌花の写真
上写真左:雄花 央:雌花の芯部 右:雄花の芯部

大きくなってきた千成瓢箪の実の写真
上写真左:7月7日、上写真中:7月15日
上写真右:9月22日(右とは別のひょうたん)
瓢箪の葉は大きいので鉢の水が切れると直ぐに萎れてしまいます。
朝と夕に水をやっていますが、水切れを起こさないように水遣りの回数を多くすると、今度は鉢土が保持している栄養素まで流れてしまうので植物が弱ってきます。
灼熱に耐えてどこまで大きくなってくれるか..。

因みに、 瓢箪には毒性がありますから糸瓜の幼果を食べるように食べていけません。
食べると、嘔吐や吐き気、腹痛などが起きます。
(食用の瓢箪があります。糸瓜も非常に苦い種類は嘔吐や吐き気などを起こすので食用不可です)

ひと際暑かった2012年の夏が終わり、毎日朝夕の水遣りをしたお陰か鉢植えでも10数個の瓢箪が成りましたが、瓢箪らしい形の物は出来ませんでした。
枝葉が枯れてきたら瓢箪の実の加工です。

瓢箪の蔓が付いていた部分を横に切り落とし、そこにドライバー(ねじ回し)などを挿し込んで穴を開け ます。
千成瓢箪の実の上部に穴を開けたところの写真
瓢箪の内部は軟らかいスポンジ状で、その中に種子が入っているので太さ1mmぐらいの針金の先を曲げたもので内容物を掻き出します。
次に、この瓢箪を水中に沈めて中を腐らせます。
千成瓢箪の内部を腐らせるために水の中に沈むた写真
瓢箪の中に水を入れても浮いてしまうので上から押さえつけるか、写真の様に石に括り付けて沈めます。
瓢箪の一部が水面に出てしまうと瓢箪の色に斑が出来てしまうので沈めている間は水量に気をつけます。
私は瓢箪を沈めたのを忘れてこのまま年越しをしてしまいました。
後は引き上げて乾かすだけです。
中を掻き出して腐らせるのが面倒な方は、小さな瓢箪なので風通しの良い所にぶら下げて置いても乾きます。
装飾品として完成した千成瓢箪の実の写真
飾りにするならこの方が簡単です。
上写真は、そのまま乾かして梅雨と夏を越したものです。カビは生えていませんし、硬いままです(2013/10/27撮影)。
透明ニスなどを塗れば湿気を吸ってカビが生える心配はありません。
 小型の千成瓢箪ですが、鉢でも何とか成功したということで。