内惑星と外惑星の地球からの見え方の違いを説明
太陽系の惑星は太陽の周りを楕円軌道を描きながら回っています。
その内、地球より太陽に近い、水星、金星を内惑星と呼び、 地球より太陽から離れている、火星、木星、土星、海王星を外惑星と呼びます。
内惑星と外惑星は、それぞれの惑星の位置が地球より近い遠いだけで区分しているのではありません。
下図は地球から内惑星を見たときのものです。
地球から見て、内惑星(水星、金星)と太陽の成す角を離角と言い、太陽の左側に最も離れたときの離角を 東方最大離角 、太陽の右側に最も離れたときの離角を 西方最大離角 と言っています。
上図から解るとおり、地球から内惑星を見たときには、いつも太陽の方向或いは太陽に近い方向を見ることになり、観測には太陽が邪魔で す。
そこで、太陽から最も離れて見える東方最大離角や西方最大離角のときに観測することになります。特に太陽に近い水星の場合はこれが絶対条件になります。それでも、水星の場合では、西方最大離角日の太陽が出る前、東方最大離角日の太陽が没した直後の20分ぐらいしか観測できず、その上、高度(見える仰角)が10度程度なので、雲や靄に邪魔されて滅多に見ることができません。
金星の場合は、明けの明星(東方最大離角)、宵の明星或いは一番星(西方最大離角)と呼ばれて親しまれているぐらい簡単に見られます。
次に外惑星の話です。
下図は地球から外惑星を見たところです。
図中の1から4までは普通で見えます、 順行 と呼んでいます。
しかし、5から7までは逆方向に動いているように見えます、この部分を 逆行 と呼んでいます。
順行から逆行、逆行から順行に変わるとき、惑星の動きが止まったように見えますが、この時刻またはこの部分を「 留(りゅう 」と呼びます。
逆行が起こるのは、見かけの外惑星の公転速度が地球より遅いために地球が外惑星を追い抜いてしまうからです。