盆栽:種子の発芽後

盆栽は自然の風景を小さな鉢の中に再現することが主眼になります。
そのため、盆栽用の鉢は自然と浅くなり、植えられる植物の根は下より横に張ることが求められます。
また、自然の古木のように太い根が地面の上に浮き出ているのも趣があります。

このような理由から、盆栽用の苗木にするときには、 胚木挿し木(または幼木挿し木)をします。
下図はマツの例ですが、本葉が出る直前に引き抜いて、葉が出ているところから下5mmほどのところで切断し、細かい用土(みじん粉)で挿し木をします。

幼い木は生命力が強いので通常の挿し木より容易に活着して、根を横に出します。
胚木挿し木が出来なかったときは、横に伸びている根を生かすように下に伸びている直根を切り詰めます。
本葉が3,4枚出た頃に1回目の肥料を与えますが、規定より薄い水肥を与え、この後は、月に1から3回の割合で与えます。

*蝦夷松は成木から採った枝を挿す「挿し木」も出来ますが一般的ではありません。
胚木は細胞分裂が旺盛なので種類を問わず容易に出来るのでしょう。