身近な自然と科学

盆栽:やまもみじ 実生から

下写真は2010年10月
木丈は約14cm、2009年の秋に公園で採種したものを、2010年の春先に蒔いて発芽したものです。

種子は小粒の赤玉土に蒔き、種の大きさの2倍ほどの覆土を しました。
もみじは粘土質で無ければどんな土でもかまいません。
よく育っている所の土質を真似て土を選ぶのが基本です。

左の写真はちょうどよく幹が曲がっているような気がしますが、太陽に向かって伸びる性質を利用して意図的に鉢の向きを変えたものです。

右は針金掛けをしてみました。(ちょっと曲げすぎかも知れません)
針金は銅やアルミ線のように柔らかいものを、木の太さに合わせて針金の太さを選びます。
針金掛けに適した時期は、樹液がよく流れている梅雨から暖かい頃が適しています。
寒くなって樹液の流れが悪くなると、木が折れやすくなります。

針金を使わずに紐で引っ張って木に曲がり癖をつけてもかまいません。
どちらにしても、針金などの痕が樹皮に残ると、盆栽としての価値が低くなります から、針金は除きやすいように掛け、痕が残らないように気をつけます。
痕を残して樹膚を汚くして老木に見せようとしても見抜かれてしまい、価値を落とすだけです。

左写真は、2010年秋に種子を採取し、ビニール袋に入れて保存、2011年2月初旬に赤玉土に蒔き、ビニール袋に入れて暖房の無い部屋に置いたもの。
発芽は3月初旬、写真は3月31日

2011年3月に発芽した紅葉の中で、綺麗に紅葉しそうなものは、下写真のように1本だけのようです。
他のものは緑から茶色に変わってしまって綺麗ではありませんでした。
また、葉を毛虫に食われてしまったのと猛暑で育ちが悪かったです。
来年はもう少し手を掛けてやらないと・・・

2011年春に発芽した紅葉の翌年2012年春の様子。
去年の秋、最も綺麗に色づいた幼木は新芽が出ませんでした。

この鉢には新たに種子を蒔かなかったのですが、この春に発芽したものが見えます。
同時に発芽しないのが種の保存の知恵のようです。