カビの生えにくいパン
不思議に思っていることがあります。
下写真は山崎製パンの食パンですが、食べ残りの消費期限が過ぎてしまい、カビを生えさせて顕微鏡で観察しようかと、冷房の無い部屋に放置しておきました。
(袋の口は売られているときに付いていたプラスチックの止め具をしておきました)
ところが、いつになってもカビが生えてきません。
消費期限が2011年5月26日なのに2011年9月2日現在もカビが生えていないパン
ひと夏越してしまいましたが、6月26日消費期限の同じ山崎製パンの食パンの食べ残りはカビだらけです。
カビが生えたパンと生えなかったパンの違いは、パンを開封して再び閉じたときの周囲の湿度にあるようです。
当然、5月より6月下旬の梅雨の時季の方が湿度が高い ために開封時には多くの水分をパンが吸い込み、また、活発になって多く飛散していたカビの胞子が袋内に侵入したのでしょう。
それにしても、ひと夏カビが生えなかったのには驚きました。
付属のプラスチックの止め具で袋の口を閉じただけでは外部から胞子が侵入して来るでしょうし・・・
カビが生えなかったのは、カビの胞子や雑菌が入らないように製造袋詰めしているからだとは思うのですが、添加物の表示を見てみました。
原材料名欄には
「小麦粉、糖類、ファットスプレッド、パン酵母、食塩、脱脂粉乳、植物油脂、醸造酢、乳化剤、酢酸Na,イーストフード、V.C、(原材料の一部に乳成分、小麦、大豆を含む)」
とありました。
- ファットスプレッドは、マーガリンの一種で塗るものです
- イーストフードは膨らませるために使うもので、塩化アンモニウムなどですが、熱によって分解気化してしまいパンには残りません
- 酢酸Na(酢酸ナトリウム)は、殺菌や雑菌の繁殖を抑えるために使います
- V.Cはアスコルビン酸でビタミンCで酸化防止に使われます
酢酸Naと醸造酢がカビの繁殖を抑えているようですね。
家庭での手作りパンより日持ちするわけです。
ここで取り上げたパンには、上記のものしか含まれていないようですが、パンを長期間腐敗させないためには、PH調整剤を入れてパンを弱酸性にする方法がとられます。
PH調整剤には、クエン酸、フマル酸、重合リン酸塩などが使われます。
パンが酸性になるだけなら良いのですが、リン酸塩は、腸管からのカルシウムや亜鉛の吸収を妨げるので過剰摂取には気をつける必要があります。
そこで、研究のテーマです。
- 色々な食品の添加物を調べる
食品の原材料名が記入してあるところに、添加物名も書かれているので、その使用目的、毒性(マウスにその添加物を何グラムを与えると死ぬか)を調べる。
図書館に添加物についての本があります。 - もし、パンが手作りできたら、食パンを作り、買ったパンとカビの生えぐあいを比べる。
パン以外にも、家で作れ、売ってもいる物を比べてみる。
比べるときは、同じ条件(温度、湿度、日のあたりぐあいなど)にすること。 - カビが生える条件、生えにくい条件を調べる。