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自由研究の手引き:簡単な水耕栽培の方法

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昔、学校の実験室で直管の蛍光管の両端を切断してガラスパイプに一端をゴム栓で塞いで水を入れて籾から芽を出させているのを見たのを思い出しました。
LED照明が多くなって蛍光管は消えつつあるので、今ならホームセンターで透明なアクリルパイプを購入して下図の様に組み立てたものです。
アクリルパイプを使った籾の水耕発芽実験のイメージ図
空気に触れる断面が小さいパイプでは直ぐに酸素不足になってしまうので、ゴム栓の中央から観賞魚を飼うときに使う「気泡を出すもの」をつけて、 観賞魚用のエアーポンプ(500円ぐらい)で空気を送り込みます。
私が見たときには籾から数ミリの芽が出ていましたが、種は籾でなくても、色々な植物の種で実験できます

上記のような面倒な事をしなくても皿のような浅い容器に、脱脂綿やスポンジ、或いは水分を吸収しやすい紙などを敷いて水を含ませ、 種が乾かないように水の量を調節し続ければ芽を出させるのは簡単です。
芽や根が出てきたら水耕栽培で大きくしたいですが、それには根の役割を考える必要があります。
根は植物が倒れたり風で飛ばされないように支え、水分と肥料分、酸素を吸収します。 土はこの全ての役割を簡単に果たしていますが、水耕栽培の場合は、植物体を支えるにはスポンジのように根が張りやすいものに種を植え付けてこのスポンジを水耕差倍の容器で支えるようにするか、植物の茎部分を紐で水耕栽培の容器に結わえて支えます。 金魚用水槽を使った水耕栽培のイメージ図
水分はもちろん水の中に根を入れて吸収させます。
肥料は水耕栽培用に市販されているものを使うのが良いですが、観葉植物用の水で薄めて使う肥料をほんの少し入れます。
水耕栽培は植木鉢での栽培と異なり、水やりの度に肥料分が流れ出てしまうことが無いので、少しの肥料分で十分です。多すぎると根が腐ってしまいます。
忘れがちですが、植物は根からも酸素を取り入れるので鑑賞魚飼育用のエアーポンプを使うのが簡単です。

色々考えると一番簡単なのは観賞魚の飼育セットで、魚を買うときのようにろ過器を付けると水が腐敗するのが防げます。
肥料を与えなければ魚も買えるかも知れませんが、金魚は根を食べてしまい、 また排せつ物の量が多くて肥料になる前に根が死んでしまうのでメダカぐらいがちょうどよいです。この時は底に砂など厚さ4センチぐらいを入れてください。 メダカの排せつ物に含まれるタンパク質か植物が吸収できる硝酸態窒素やアンモニア窒素に変えてくれる微生物やバクテリアの棲みかになります。