水草海藻標本の作り方
基本は陸上に生えている植物の押し葉標本と同じですが、問題が二つあります。
一つ目は、水中の中だから形を保っているので、陸上植物の押し葉のように紙に載せてから形を整えるのが難しいことです。
この解決法は、下図のように標本にしたいものを水中に入れておいて厚手の白い紙で掬いながら形を整えることです。
糊のように紙に付く成分が含まれていない植物の場合は、このまま陸上植物の押し葉のように新聞紙などで挟んで重しをかけて乾燥させます。
二つ目の問題は、海草などに糊の成分が含まれていた場合です。
そのまま、新聞紙に挟んで押し葉にしたら新聞紙2枚を貼り付けるだけで標本になりません。
この場合も先ず、上図のように水中で白い紙に形を整えながら掬いますが、新聞紙などに 挟むときには汚れていないガーゼを海草などの上に載せてから新聞紙などで挟みます。
標本の台紙は掬ったときの紙になります。
糊成分が多くてガーゼからも剥がれないと思われるときはガーゼの代わりに食品包装用ラップを使います。もちろん、ラップを被せてしまうと台紙側しか水分がとれませんが仕方ありません。
なお、標本材料店で乾燥用の紙を売っていますが、新聞紙のインクが標本や台紙に付かなければ新聞紙で十分です。
標本が出来上がったラベルを貼ります。
ラベルには、
- 植物名(和名)、科名、学名
- 採集場所
出来るだけ詳しく、地名には振り仮名をつけておく。 - 採集日時
- 採集者氏名
- 乾燥前の色など標本にしたら失われてしまうと推測される情報を書いておきます。
ノートにはラベルに書いた情報より詳しい内容をメモしておきます。
採取する前に写真に撮っておくのも良いでしょう。