身近な自然と科学

缶詰のミカンの房をとっている方法

炬燵(コタツ)でミカンを食べるのが冬の過ごし方は昔のことになってしまったようですが、白い房はどうしていますか。房ごと食べた方が便秘の解消には良いと言いますが。
ところで、ミカンの缶詰は見事に白い房が剥けていますね。
剥いた蜜柑と蜜柑の缶詰の房が綺麗に除かれているミカン
(ミカンと中国原産の缶詰ミカン:2019年11月23日撮影)
国内で売られている缶詰は東南アジアや中国で製造されているので、人海戦術で皮を剥いているような気がしますが、実際は機械で剥いています。

昔は薬品を使っていました。
先ず、白い房だけにしたミカンを、温度50度の0.5%の塩酸水溶液に30分入れて、白い房を熔かします。
次に、塩酸を中和して落とすために、0.5~1%の水酸化ナトリウム溶液に数秒浸して水洗いします。
これで綺麗に白い房が取れます。

この方法は、白い房の部分は酸に溶けるペクチンが多く、果汁が詰まっている部分は酸に溶けないセルロースが多く含まれているという違いを利用したものです。

現在は、白い房を90度のお湯に浸してふやけさせてから機械で白い皮を切り取るそうです (更新2019年11月23日)