百円ショップで買った生アーモンドが発芽した
健康ブームにの乗ってか、胡桃、カシューナッツ、アーモンドなどのナッツ(木の実)が注目を集めています。
今回話題にするアーモンドには健康増進に良いとされるビタミンEやオレイン酸、食物繊維が豊富に含まれている、といった理由からか、アーモンドのエキスを入れた飲料も数多く市販されているのは皆さんご存じのとおりです。
また、アーモンドは昔からアーモンドが入ったチョコレートで親しみがあり、「アーモンド」という言葉の響きと共に私には魅力的に感じられます。
硬い殻を割って食べるクリーミーな味の生胡桃も格別美味しいですけど。
アーモンドは、西アジア原産でバラ科の落葉高木で、花は桃に似ています。
花は桃に似ていても桃と違って私たちが食べている部分は種の中の“仁”といわれる部分です。
梅干しの種を割って種の中に入っている仁を食べる人が居ますが、アーモンドはそれと同じです。
因みに、品種には甘いアーモンドと苦いアーモンドがあり、食用にするのは甘いアーモンドです。苦いアーモンドは枇杷の種にも含まれている“アミグダリン”を多量に含むためにやはり枇杷の種と同じように薬や化粧品等に使われる“杏仁水”を作るのに使われます。
花が桃に似ているだけでも魅力的なアーモンドですが、近くのホームセンターではアーモンドの苗木を見つけることが出来ませんでした。
最近は、日本国内でもアーモンドの栽培を手がけている人たちが居らっしゃるようですが、アーモンドは明治の初め頃に気候風土の違いから栽培に失敗したという歴史を持っています。
栽培失敗の歴史から需要が無くて苗木も広く流通していないのでしょうか。
苗木が容易に入手出来ないなら種から栽培しよう! と思い立ちましたが、市販されているアーモンドの種子は加熱してあるものばかりで。
が、灯台下暗しというのか、しばしば行く100円ショップの“ダイソー”と“セリア”に製菓用の生アーモンドがありました。
ちょっと検索してみると、市販されている生アーモンドは発芽しないという見解が多かったのですが、物は試しなのでアーモンドの種子(正確には仁)を水に一晩浸けて十分水を含ませてから濡らしたキッチンペーパーの上に載せて乾かないように気を付けながら、冬季なので昼間は温かい所に置いておきました。
しかし、芽が出る前にカビが生えだしました。
もちろん、落葉樹の種子には、寒さに向かう秋や冬に発芽しないようにする仕組みがあり、冷たい時を過ごしていない種子を発芽させるには凍らない程度の冷蔵庫に1か月ぐらいは入れて置く“休眠打破”という手順が必要なことは知っていましたが、暖房の無い部屋に置いたので冷蔵庫に入れる必要は無いと思ったのです。
カビが生えてしまっては棄てるしかないのですが、一途の望みを懸けて近くの庭木の枯れ葉が落ちているプランターの隅に埋めて置きました。
それから2か月ほど経った2024年3月23日、何気なくプランターを見てみると、枯れ葉の間から緑色のものが見えました。
枯れ葉を除けてみると何かの芽です、アーモンドだろうと思いましたが、掬うように取ってみると、アーモンドの発芽でした。
アーモンドならもう少し暖かくなってから植え替えた方がよかったと思いましたが、アーモンドの芽を見たことが無いので埋めたアーモンドの種から発芽したところを確認しないと。
製菓用に売られている生アーモンドでも十分浸水させてから、秋から冬に蒔くなら凍らない程度の所に蒔く、暖かくなってから蒔く場合は冷蔵庫内に1か月置いてから蒔けば発芽することが判りました。
実の収穫までは無理でも花は見たいですね。
下写真は、発芽してから約1ヶ月後の2024年4月29日に撮影したものです。
小粒の化成肥料を一つまみ施していますが、1か月で鉢土面から18センチと大きく成長しました。
このペースで成長するとは思えませんが、大きな鉢にした方が良いような気がして来ました。
殻が無い生アーモンドの種子の発芽率はかなり低い
市販の青果用生アーモンドを水を吸わせて2024年4月6日から冷蔵庫に入れて休眠打破を試みたのですが、アーモンドの種子表面の茶色の皮が破れて種が崩れるものが出て来ました。そこで種の形を保っているものを土に蒔いたのですが、今度はどこからか虫が来て種を食べ始めました。アーモンドは栄養価が高く水を吸わせると柔らかくなるので虫にとっては良い食べ物のようです。
殻が付いていれば形が崩れてしまうほど給水することはなく、また、芽が出るまで硬い殻で守られているので発芽する確率は高くなると思います。青果用生アーモンドは殻が付いていないので発芽率は非常に小さいです。
青果用生アーモンドを発芽させるのには、給水量を少なくし、虫が出ないように殺菌処理した土に蒔く方がよいです