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実生から枇杷を栽培するのは鉢では難しいのか? 実生から育てた枇杷の味は?

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今年2023年7月枇杷の種を蒔きました。
数年前まで家の片隅に実生から育てた枇杷が食べ切れないほど実を付けてくれていたのですが、大きくならないように毎年枝を切り詰めるのが苦になって枇杷の木を枯らしてしまいました。
枇杷は、毛虫が付きませんし、特に肥料を与えなくても美味しい実が成りますから、敷地が広くて大きくなっても構わなければ手間要らずで良い果樹です。
もっとも、2階の屋根を超えてしまう様な品種を放任していたら始末に負えなくなります。
実際、見掛けたのですが、2階の屋根を超える高さになっている枇杷は実がなっても手が届きませんから鳥の餌を作っているようなものです。
切り倒すにしても、庭で高さが10mにもなっている木ですから容易ではありません。

枯らしてしまった枇杷を再び育てようと思ったのは、枇杷の葉のお茶が健康維持に役立ちそうだからです。
大寒の頃に枇杷の葉の厚いものを採取して乾燥させてお茶にし、味はウーロン茶みたいだそうなので飲みやすいでしょう。
家の片隅に枇杷の木を植えていた頃は実を食べるだけで、あの虫も付かない部厚で硬い葉が健康茶になるなどとは思いもしなかったので、大きなごみ袋何袋も棄てていました。
食い気より健康に気遣う年齢になって枇杷を見直しました。
という次第で、今年の収穫した実から採った種を蒔いたのですが、蒔いてから約3か月後でようやく4cmぐらいになりました。

枇杷の花と受粉

2023年10月30日花が咲き始めました。
枇杷の花2023/10/30
枇杷は、同じ花の中に雌蕊と雄蕊がある両性花、他の株の花粉が無くても種子が成る自家受粉なので、花粉を付ける昆虫(気温が低い時季なので主にミツバチ)が棲息している環境では受粉に手が掛かりません。
庭隅に枇杷を植えていた頃は花が咲いたのも気に留めることも無くたくさんの実を付けてくれました。
しかし、買ったばかりの鉢植え枇杷では花数が少ないので昆虫は来ないだろうと人工授粉をしていました。
ところが、枇杷の花に蜂が留まっているのに気づきました。
枇杷の花にとまったミツバチ2023/11/06
枇杷の花は匂いを放ちますが、幾つも咲いていないのに「よく来てくれました」です。
ミツバチが留まっているのを観察すると、枇杷の花はミツバチぐらいの大きさの昆虫が頭を突っ込んで蜜を吸うのに適した形で、蝶では蜜を吸いづらそうです。

12月になると受粉に成功した子房が大きくなり始めました。
子房が大きくなり始めた枇杷 2024/01/01
(2024年1月1日撮影)
枇杷の蕾は房状に付いていましたが、子房が大きくなり始めたのは房状の先端の蕾ばかりでその他は落ちてしまいました。
たくさん花が咲いても殆どは虫を呼ぶ役割だけのようです。
5月に実が黄色く色づいて来ましたが、冬の寒さで実が落ちると思って摘果しなかったのですが夜間だけ暖房の無い玄関内に入れたのが良かったのか全く落ちず、小さな実になってしまいました。

枇杷の葉が周囲から茶色に変色

ところで、購入した時の黒いビニールポットから鉢に植え替えたときに枇杷の葉が周囲から茶色になって最後には葉が落ちてしまいました。
周囲から茶色に変色した枇杷の葉
枇杷は乾燥に強いと言いますが、植え替え時には根の発育が遅いらしくて水を切らさなくても葉が枯れるので、葉をかなり落としてから植え替えするなど慎重にする必要があるようです。
同じ常緑果樹でも蜜柑などはポット苗から無造作に植え替えても葉が枯れたことはありませんでした。

なぜか、枇杷の実生は育ちが悪い

上記の“クイーン長崎”が何とか実り、2024年5月にその種を鉢に蒔いて日陰に置きました。
すると、1か月ちょっとして芽が出て来ました。
下写真は2024年6月26日撮影
枇杷クイーン長崎の種子から発芽した写真2024/06/26撮影
ところが、初夏の強い陽射しを避けて日陰に置き、鉢土表面が乾き気味になってから水やりしていて、鉢土表面から1,2cm育つと全て枯れてしまいました。
荒れ地に放置されている枇杷はたくさんの実を落としていますが、そこから育った枇杷の木を見たことが無いので発芽率は良くてもその後の成長は悪い、枇杷の種には食べると体内で猛毒のシアン化水素(青酸)を生成するアミグダリンが含まれているので、鳥や鼠などの小動物は食べないでしょうから発芽率が高い上にその後の成長まで良かったら枇杷の大木ばかりになってしまう、と勝手に思いました。
それはともかく、落葉樹の実生では、湿った砂の中に種を入れて翌春まで冷蔵庫内で保管するか、土中に埋めて置いて翌春掘り出して蒔きますから、枇杷もその方が発芽後の成長が良いのかも知れません。

枇杷の種の茶色の皮を剥いて種が乾かない程度の水に浸して発芽を試みました。
アーモンドとは異なって夏季なのにカビが生えたり種がふやけて崩れることは無かったですが、下写真の様にひと月以上経っても根が出るだけでした。
枇杷の種子を水に浸して根が出た写真
(写真は2024年7月15日撮影)

茶色の皮には発芽抑制物質が含まれているらしく、皮を剥かないと根も出ませんし、上写真の様に皮を剥かない種子を一緒にしている場合は頻繁に水替えをしないと皮を剥いた種子からも根も出ません。
この根が出た種子を、根の部分だけ土に埋めて乾かないように水をたっぷりやっていたところ、芽が出て来ました。
水に浸けて根が出た枇杷の種子を浅上して芽が出た写真20240828
2024年8月28日撮影
根しか埋めていないので胚乳部分が陽に当たって緑色になっています。胚乳は発芽や葉が出るまでの栄養が詰まっている部分ですが、葉緑素で光合成をするのでしょうか。