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アボガドロ定数とモルの意味と使うメリット

化学の勉強をしていて気になるのがアボガドロ定数です。
6.0221415 × 10 23 という半端な値に何の意味があるのでしょう。
アボガドロ数のついでにモル(mol)についても考えてみます。

原子量、分子量、同位体についての復習

物質は原子や原子が幾つか結合した分子で出来ています。
原子の中心にはプラスの電気(電荷)を帯びた陽子と電気を帯びていない中性子が塊になって存在します。
この塊を原子核と言い、原子核は陽子を持っているのでプラスの電気を帯びています。
原子核の周りにはマイナスの電気を帯びた電子が雲のようになって存在します。
これを電子雲と言います。電子雲はマイナスの電気を帯びています。
原子全体から見れば、原子核のプラス電気と電子雲のマイナス電気が同量なので電気的には中性を保っています。

次に、原子量と同位体です。
原子核の陽子と中性子の数を加えたものを原子量と言います。
分子の場合は分子を構成する原子の原子量の和を分子量と言います。
例えば、酸素原子は陽子の数8、中性子の数8なので原子量16です。
酸素分子の場合は16が2個分で分子量32です。
陽子の数が同じで中性子の数が違うものを同位体と言いますが、酸素の場合は中性子の数が9個と10個のものがほんの僅か存在します

アボガドロ定数やモルは原子や分子をひと塊にして計算しやすくするもの

上記の復習で例にした酸素をここでも例にします。
酸素原子や酸素分子の質量を教えてもらっても計算に利用するには小さすぎて面倒そうですね。
そこで、 酸素原子(または酸素分子)をN個集めたら酸素の原子量(または酸素分子量)グラムという数N を考えたら便利そうです。
このNがアボガドロ定数です。
酸素原子をアボガドロ数(6.0221415 × 10 23  )個集めると16グラムになります。
酸素分子を酸素原子をアボガドロ数(6.0221415 × 10 23  )個集めると32グラムになります。

まとめると、「原子または分子をアボガドロ数個だけ集めると、原子量または分子量になる」
そして、アボガドロ数個の原子(または分子)をひとまとめにして1モル(mol)と言います。
ですから、1モルの原子(または分子)の質量は原子量(または分子量)にグラムを付けたものになります。

モルにはもうひとつ便利な使い道があります。
原子(または分子)が気体の場合は、1モルの体積は常温常圧(約20度、1気圧)で22.4リットルになるのです
ただし、分子間力などを無視出来る”理想気体”の場合です