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水分子の電気的極性が偏っていることが判る簡単な実験

水と静電気は仲が悪いようなイメージがありますね。 空気中に水分があまり無い乾燥した冬は静電気に悩まされますが、初夏から秋に掛けての湿度の高い時期は静電気を気にすることもありません。
これは湿度が高い時期には空気中や身の回りの物に水分が多く含まれるために、静電気が起きても1ヵ所に留まることが出来ずに電気が伝わりやすい所に流れて最後には電気的に中性になってしまうためです。
プラスの電気が起きればマイナスの電気が多い所に流れ、マイナスの電気が起きればプラスの電気が多い所に流れて電気的に中性になります。
マイナスの電気を帯びた電子が移動して抜けた所がプラスの電気を帯びるので、プラスの電気だけ、 或いはマイナスの電気だけというようにどちらか一方だけが生まれるという訳では無いので、必ず中性になります。
これがはっきり目に見えるのが、雷雲と大地の間に起きた静電気を電気的中性にしようとするために起きる落電です。

下の写真のように、水道の蛇口から水を流して、細い流れを作り、乾いた布なのでよく擦ったプラスチック製の櫛をそれに接近させてみます。
水道の蛇口から糸の様に垂れる水がプラスチック製の櫛に吸い寄せられている写真
冬季のように空気が乾燥して静電気がたまり易く、かつ、水の流れが非常に細ければ、水の流れが櫛の方に曲がる現象が見られます。
冬季、プラスチック製の下敷きを擦って髪や小さな紙切れを引きつけて遊んだことがあると思いますが、 これは、下敷きに帯びた静電気の極性と逆の極性を持つ電気が静電誘導によって髪や紙切れに起き、 この結果、電気的に引き付けられる現象でした。

しかし、細い水の流れが櫛に引きつけられる現象も電気的に引き付けられているのは同じですが、水の流れが電気を帯びるのは静電誘導ではありません。
水分子はプラスの電気帯びた水素原子2個とマイナスの電気帯びた酸素原子1個が結合した分子なのに電気的な極性を持っています。
水素原子はプラスの電気が余り、酸素原子はマイナスの電気が余っているのです。
このため、マイナスの電気を帯びた櫛を近づけると、プラスの電気が余っている水素原子が櫛の方に向いて水分子が整列します。
この結果、櫛側に近い水の表面が櫛の持っている電気の極性と逆になって櫛に引き寄せられて水の流れを曲げます。

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