ノートパソコンがガタガタ鳴る ファンが停止しました の原因と修理
1年ぐらい前からノートパソコン(dynabook AZ35/GB)が「ガタガタ」と音を立てるようになりましたがそれ以外の支障は無かったのでそのまま使用していました。
HDDを使用している場合はHDDが音を立て始めたら最悪というか通常はいくつかのデーターが消失しているぐらいの致命的故障なのですが、 SSDに改装してあるので音を立てるのはCPUを冷やすファンぐらいしかありません。
まれにコイル鳴きといわれるものがありますが、これは大きな電流が流れる電源回路のコイルの留め具が緩んだり半田が浮いてコイルの振動が抑えきれないのが原因なので、 狭い筐体に部品が隙間なく詰め込んであるノートパソコンでは技術が必要な修理です。
そんな訳で放置していたのですが、先日、「ファンが停止しました。使用中のデーターを保存し、再起動しても表示される場合は販売店にご相談ください」というメッセージが頻繁に表示されるようになり、 パソコンの動作も非常に遅くなってしまいました。
意を決してノートパソコンの裏側を開けてみました。2024年11月2日撮影
ただし、黄色い文字は説明のために書き加えました。
- このパソコンのCPU(演算装置)は5W~15W程度の電力を消費しますが、 現在の技術では多くの電力が熱に変わってしまいますからCPUが熱くなります
- CPUの上にヒートポンプ(HP)の右端が接続されているので、 CPUが出した熱はヒートポンプの働きによってヒートポンプの左端に移動します
- ヒートポンプ(HP)の左端はヒートシンク(H)に接続されているのでヒートシンクが熱くなります
- 熱くなったヒートシンクはファン(B)からの空気で冷却されます
ヒートポンプ(HP)は効率よく熱が移動する工夫がしてあります。
私のノートパソコンはファンからの異音を放置していたためにCPUが熱くなりすぎて処理能力が実感できるほど遅くなったのです。
ノートパソコン用ファンは2000円ちょっとぐらいで新品が売られていることがありますが、先ずは、ファンを出来る限り綺麗にしてみることにしました。
ファンの蓋はめ込み式になっていて一度外してしまうと留め具の再使用が出来ませんでした。
羽が外れないので回転軸受けにグリスを入れることができなかったので、プラスチック製品にも使えるシリコンのスプレー式の潤滑剤を中心部に吹き付けてティッシュペーパーで汚れを拭き取りました。
蓋を閉める前に電源を入れてファンの羽根の回転具合を確認したいところですが、 基盤の上に金属片でもうっかり落としてしまったらファンの故障ぐらいでは済まないので電源を入れる前に筐体に収めました。
なお、ファンの蓋の留め具は使えないので下写真の様にテープで押さえました。
ノートパソコンに電源を入れてみると、ヒートシンクがあるところか温かい風が出て、処理スピードは速くなりました。
Core TempというフリーソフトでCPUの温度を確認すると、MP4ファイルをHEVC変換しても瞬間的に70度を少し超えるぐらいだったので正常です。
問題は、埃や小さなゴミぐらいでファンが止まるのか? ということです。もちろん、内部の配線コードなどが羽根に接触することはありません。
ノートパソコンのファンは、省電力と騒音対策なのか、回転力(トルク)が小さいのでちょっとした障害物でも直ぐに止まってしまいますが、それにしても。
で、よく観察すると、開けたファンの蓋に羽根が当たった跡があったので、羽根の軸受け部分が劣化してぐらつき、 羽根が薄い金属板の蓋に当たって音を立てた、ノートパソコンを傾けて長期間使っていると軸受けが劣化しやすい、と推測しています。
羽根やファンの内部に付着したゴミや埃はそれを助長してついにファンが止まったのでしょう。
ですから、音を立てて、ついには「ファンが止まりました」と表示されるようになってしまった場合には、 掃除や潤滑剤の使用では一時凌ぎにしかならない可能性が大です。
ノートパソコンを傾けての使用については、ノートパソコンの下面と机の間に1cmぐらいの間隔を付けた方がノートパソコンが熱くなるのが少し抑えられるので、 私はノートパソコンと机の間に適当なものを入れて少し傾けて使っていたので。
追記2024/12/08
1ヵ月以上経ちましたが気になるほどの音を立てずにファンは稼働してCPUの温度も正常です。
スプレー式の油性潤滑剤を使ったときには1日もたずに激しい音が復活してしまったのですが、スプレー式でもシリコン系潤滑剤が良かったようです