コンデンサーの構造と動作原理
コンデンサーは電気をよく流す、銅やアルミなどの金属板2枚を、絶縁物を挟んで対向さえたものです。
下左図のように金属板2枚を向かい合わせて絶縁物で固定したもの
下右図のように2枚の金属板に絶縁物を挟んだものがあります。
コンデンサーに直流電圧をかけたとき
2枚の金属板にそれぞれ電極を取り付け、下図のような回路を作ります。
スイッチを閉じると、閉じた瞬間だけ電流計の針が振れ、 その後、コンデンサーの両極間の電圧と乾電池の電圧が等しくなります。 ごく短時間ですが、電流が流れるので、回路には電流計が壊れないように電流制限用として抵抗が入れてあります。
上の左図はコンデンサーに電池を繋がないときです。
金属板の中にはマイナスの電気を持った、自由に動ける電子(自由電子)とプラスの 電気を持った正の電気を持ったものが混じって存在しています。
と言ってもプラスの電気とマイナスの電気をもったものが図のように分かれている訳ではありません。
分かれたとしても自由に動ける金属内では直ぐに結合してしまいます。
ここで、乾電池を繋ぐと、乾電池のプラスに繋いだ側に電子が引っ張られ乾電池に流れ込みます。
一方、乾電池のマイナスに繋いだ側にはプラスの電気を持ったものが引っ張られ乾電池に流れ込みます。
このとき、電流は電子の移動ですから、このとき回路に電流が流れ、電流計の針を振らせます。
時間が経つと、乾電池のプラス極に繋がっている金属板にはプラスの電気を持ったものが集り、乾電池のマイナス極に繋がっている金属板にはマイナスの電気を持ったものが集ります。
すると、2枚の金属板の間に電位差(電圧)が生じます。
この電位差の最高は乾電池のプラス極とマイナス極の電位差と同じで、同じ電位差になるまで乾電池から電子が供給されます。
このときの電流を「変位電流」と呼びます。
2枚の金属板には、プラスの電気をもったものとマイナスの電気を持ったもの(電子)が溜まっています。
言い方を変えると電気を蓄えていることになります。
コンデンサーに蓄えられる電気量Qは
Q=C・V
で表されます。
Cはコンデンサーの容量、平行に対向させた2枚の金属板で作られたコンデンサーの場合は
C=ε・ε0・S/D
で計算できます。
ε0は2枚の金属板の間に入れる絶縁物の誘電率で、εは比誘電率です。
コンデンサーの電極の間に絶縁物(誘電体)を挟むとコンデンサーの容量が増える理由
これは、電界(電位差の影響を受けているところ)中に絶縁物を入れると、絶縁物を作っている分子や原子がプラスやマイナスに分極するために起こります。(誘電分極)
絶縁物では電子は自由に動けないので分子や原子の中で、プラスとマイナスが偏るだけです。
比誘電率は、その絶縁物を入れたことによって、真空のときより何倍容量が増えるかの比です。
真空の誘電率は、8.85418781の10のマイナス12乗
主な物質の比誘電率は
水:20度で80.4
ガラス:5.4~9.9
ゴム:2.0~3.5
紙:2.0~2.6
空気:1.00059
概観を小型にして大きな容量のコンデンサーを作りたい時は、比誘電率の高いものを極板間に挟めば良いことになります