身近な自然と科学

身近な物を使って電池を作る方法と乾電池の構造

みなさんは、乾電池を使っていますね。いったい乾電池はどうなっているのでしょうか。
以前は、マンガン乾電池を分解してみるということが、科学雑誌に載っていたのですが、現在は危険ということが先にたって、分解禁止になっているみたいですね。
リチウム電池は電流が大きく、かつ、燃えやすいものが入っているので危険ですが、 マンガン乾電池を分解してもさほど危険ではないと思うのですが、文書だけで勧めるわけにも行きませんので、私も「やめてください」としておきます。

マンガン乾電池のしくみ

乾電池は、下図のようになっています。
マンガン乾電池の構造
中心には、炭素で出来た棒があります。合剤は、二酸化マンガンの粉末です。
電解液は、液体では漏れてしまうことがあるので、紙またはでんぷんに含ませてあります。

亜鉛板は、乾電池外側の金属につながっています。これが、外面的にはマイナス電極(陰極)です。
炭素棒 は、乾電池の凸になっている金属部分につながっています。これが、外面的にはプラス電極(陽極)です。

  • 電気は電子の流れ
  • 全ての物を小さく小さく分割していくと、原子になり、原子の周りには電子がある
  • 亜鉛は電解液に溶けやすい
以上の事から、乾電池のしくみがわかりそうな気がしませんか。
簡単に乾電池の原理を説明すると、亜鉛が電解液に溶ける(イオン化)ためには離れやすい一番外側の2個の電子を亜鉛板に残さなければなりません。
よって、電解液にはプラスの電気が、亜鉛板にはマイナスの電気がたまります。

電池の自作実験

ところで、電池を作ってみようと思ったとき、困るのは薬品の入手と取り扱いです。電解液を作るのには、危険な薬品が必要ですし、ちょっと実験するのに1ビン買っても困ります。
私は実験したことはないのですが、NHK教育テレビの「なんでも実験(2000/08/01現在)」とかいう番組で、 木炭、ティッシュペーパー、アルミ箔、食塩、水で作る電池を放送していました。
うろ覚えなのですが、下図のようにつくります。
自作の電池
ティッシュペーパーにつける食塩水の濃度は、海水程度(約3パーセント)で良いと思うのですが、覚えていません。 真水では電気が通らないので、塩を入れて通るようにするだけですので、濃度を変えて実験してみて下さい。
電気は、木炭とアルミ箔に電気が流れるコードをつけて外部に出して下さい。
乾電池用豆電球ぐらいは点灯すると思います。

アルミ箔のかわりに、別の金属を・・・・・
食塩水のかわりに、食酢、果実ジュースを・・・・・・・
など、いろいろ試して下さい。
電圧を測るものがあったら、電圧を記録して下さい。

ところで、手許にあった1円と10円硬貨、ティッシュペーパーで電池を作ってみました。
 硬貨を使った電池
1円硬貨と10円硬貨で、水道水で濡らしたティッシュペーパーを挟み、動かないように洗濯挟みで固定しただけのものです。
10円硬貨側が+、1円硬貨が-で、この実験では425ミリボルト出ています