簡単なシガレット・ライタ・コード
DCプラグ欲しさにリサイクルショップで 「KENWOOD PG-3F FILTERED CIGARETTE  LIGHTER CORD」を買ってきました。 
 「24V車で使用しますと、過電圧により無線機が破損します」と 注意書きがあるので、シガレットソケットからトランシーバー用の電源を取るために作られたようです。 
 ケースを外してみたのが下写真です。 
 
 
 フィルターとあるので、コイルとコンデンサーで 直流だけ通すフィルターが組んであるのかと思いましたが、トランジスターを使った簡単な平滑回路になっていました。 
 円筒形のものが電解コンデンサー、左下に板のように見えるのがトランジスターです。 
 回路図に起こしたのが下の黒四角で囲まれた部分です。 
 
 
 この回路のポイントは、コンデンサーC1に掛かる 直流電圧の変動分を電源スイッチング・トランジスター2SD717によって、その電流増幅分の1にしてエミッターから出すことです。 
 結果的に、C1の容量がトランジスターの電流増幅倍になったのと等価になります。 
 ここでは、交流をダイオードで半波整流した電気を回路に加えています。 
 電圧の波形は下図のようになります。 
 
 
 上図で波形2の電圧目盛りは波形1の100倍になっています。 
 電圧の変動幅が同じように見えますが、実際は約100分の1になっています。 
 トランジスターを使わないで同じように電圧変動を抑える場合には、大きなコイルとコンデンサーを使うか、抵抗とコンデンサーでローパス・フィルターを作ります。 
 下図は抵抗とコンデンサーで作ったものです。 
 
 
 抵抗R1を大きくすれば電圧の変動を抑えるように働きますが、大きくすると、負荷に大きな電流が流せなくなるので、消費電力が大きなトランシーバー等には使えません。 
 上の回路では47オームになっていますが、電力供給から考えたら大きすぎます。 
 波形は下図のようになります。 
 
 
 波形4の目盛りは、波形3の10倍です。 
 トランジスターを使った平滑回路が優れているのが判ります。  
 携帯電話の充電用シガレット・コードの場合には必要とする電圧が6V程度なので、低電圧ダイオードを使った電源用ICで、低電圧高電流が取れるものにしています。