身近な自然と科学

簡単な地形模型(ジオラマ)の作り方

実際にある地域の地形模型を作りたいときは、土地の高さ(等高線)が記入してある地図を用意します。
下の地図は、 国土地理院地図閲覧サービス 2万5千分1 地形図名:江の島(横須賀)の一部です。( 国土地理院の利用規定によって大きな地図を掲載できませんでした)
地形模型の作り方 用意した地形図
右の地図は2万5千分の1の縮尺地図なので地図中の太い茶色の線は海抜50mの地点を結んだ線( 等高線 )です。
茶色の細い線は海抜10m間隔
茶色の大きな破線は海抜5m間隔
茶色の小さな破線は海抜2.5m間隔で描かれています。
20万分1の地図は、500m、100m、50m、25m
5万分1の地図は、100m、 20m、10m、5m
となっています。

ここでの 地形模型(ジオラマ) を作る方法は、等高線に沿って切った厚紙を積み重ねて行くものです。

地図が用意できたら、台になる木板(合板など)か厚紙を用意します。
それと、表したい最小の高さに合わせた厚紙を用意しますが、正確にしようとすると、 これが、ちょっと面倒です。
地図上で測った距離×縮尺分母=実際の距離
になりますから、 好きな大きさの地形模型を作るために、元の地図を拡大または縮小すると、 地図上で測った距離÷拡大縮小倍率×縮尺分母=実際の距離
になります。
たとえば、2万5千分の1の地図で1cmは、0.01m×25000=250mですが、この地図を4倍のコピーをすると、コピーした地図上の1cmは4分の1の62.5mになります。
地形模型(ジオラマ)をつくるときに、縮尺とおりにつくると、 高さ10mは上記の例では、1cmが250mですから、 1cm×(10÷250)=0.4mm
4倍拡大コピーしたときは、0.4mm×4=1.6mm になります。
上記の例では、厚さ0.4mmの紙、4倍拡大したら厚さ1.6mmの紙を用意します。
1枚で希望の厚さにならないときは何枚か重ね合わせます。
(紙の厚さを測るときは何枚か重ねて測り、その値を重ねた枚数で割る)
しかし、この例で解るように、4倍に拡大コピーしても10mが1.6mmにしかなりません。
江ノ島の場合は高い所でも60m上しかないので、4倍コピーの場合でも9.6mmにしかならず、模型にした場合には見栄えがしません。
そこで、 地形によっては水平方向と垂直方向の縮尺を変えてみます。
(厚い紙が必要なときは段ボールを利用する)

次に用意した地図をコピーします。
上の地図は江ノ島の東半分ですが、この部分の地形模型を、A4サイズ(横210mm 297mm)の大きさにつくりたい場合はA4サイズになるように拡大または縮小コピーします。
次は、コピーした紙に写した地図の一番海抜の低い等高線に沿って切り抜き、切り抜いたものに沿って積み重ねる厚紙を必要枚数切り、次に高い等高線に沿って切り、積み重ねる厚紙を切るを繰り返していきます。
下図の緑色の部分を切り取り、赤線で囲まれた部分を必要枚数作ります。
厚紙1枚で高さの10mを表すとすれば、左図が1枚、中図が1枚、右図が3枚です。
全て積み重ねると5枚重なったところが一番高く50mになります。

地形模型の作り方 地形図を等高線で切り抜いた図

地形模型の作り方 切り抜いた地形図を台に貼り付ける図
重ねて貼るときに接着剤を付け過ぎると、(紙の厚さ+接着剤の厚さ)になってしまうので気をつけてください。始めから接着剤の厚みを考えて重ねる枚数を少なくしてもいいです、 後は、紙粘土などで段差を無くし、地図や航空写真などで、森林、畑、宅地なのかを調べて、それらしい色を塗り、ラウンドマークになっているような大きな構造物があればつくって完成です。
水平面の縮尺と高さの縮尺が異なるときは、それを明記して置いてください。
実際の地形では無く、想像の地形を創ってもおもしろいです。
この場合は始めから紙粘土で粘土細工のように地形を作ってしまえば簡単ですが、自由研究の宿題のときは自然ではありえないような地形は駄目です。
どうしてもありえない地形を創ってみたいときは、「○○の理由で自然には無い地形ですが」と断って おきましょうね。