身近な自然と科学

ペットボトルで、簡単効果抜群の鑑賞魚用濾過器を自作

容量60リットルのポリプロピレン製の洗い桶で、全長30cm程のヒレナガ鯉を2匹飼っていますが、軒下に置いている為か、水深25cm程度なのに鯉が見えないほどの青水に直ぐになってしまいます。エアーポンプで空気を送る、小さな投げ込み式濾過器を入れて置けば酸欠は防げるのですが、青水になるのは防げません。と言って、投げ込み式の大きな物は安くありません。
飼育水の量は60cmガラス水槽ぐらいですからガラス水槽用の上部濾過器が使えそうですが、これも安価では無いですし屋外で使う設計にはなっていません。
サイフォンの原理で水を外部に導いてフィルターを通してから小さなポンプで水を水槽に帰す外部濾過器は持っていますが、パイプの掃除が大変です。
小さな池用濾過器は安物を探しても1万円以上します。

これはダメ、あれはダメと言っていると前向きに生きないと怒られるので、思いついたのが、適当な容器を使って作る投げ込み式濾過器です。
濾過能力不足は承知ですが、維持費と工作費が安い、鯉に体当たりされても壊れないというメリットがあります。(壊れるような緻密な構造では無い)

必要な物は
  • お茶などが入っていた2リットルのペットボトル
  • 直径15mmぐらいのビニールパイプ
    (ダイソーで購入した水換えポンプの使い古しを利用)
    観賞魚用水換えポンプ
  • 大磯砂や川砂 約2kg
  • 金魚飼育に使うエアーポンプと空気を送るためのビニールホース
作り方
  1. ペットボルトの肩より下で切って、直径2mm程度の孔を多く開けます。
    ガスコンロの炎で鉄釘や金属串の先を焼いて突き刺せば、容易に孔が開きます。
    ペットボトルで鑑賞魚用濾過器 ペットボトルに孔を開ける

  2. 直径15mmぐらいのビニールパイプの一方の端から5cmぐらいまで、直径2mmぐらいの孔をたくさん開けます。そして、エアーポンプから空気を送るビニーホースの一端をパイプに挿しこみます。
    ペットボトルで観賞魚用濾過器 水を押し上げるパイプ
    写真では、投げ込み式濾過器から部品を拝借して、空気を送るホースをパイプに挿し込んでいますが、パイプに孔を開けて直接ホースを挿し込んでもよいです。

  3. 1で孔を開けたペットボトルの中に、2で作ったパイプを入れて、ペットボトルの中に砂を入れます。
    観賞魚用濾過器 砂を入れる

こうして作ったペットボトル濾過器を、鯉を飼っている桶に入れ、エアーポンプで空気を送ります。
ペットボトル濾過器を使用している
ビニールパイプの左端から砂の層を通った水が出ています。このホースを水面より高くし過ぎると水の出が悪くなるので、手で曲がる程度の硬さの針金をパイプに入れてパイプを水面とほぼ平行から下向きに曲げています。
パイプから出る水は、エアーポンプから送られた空気に持ち上げられて上がってきますから空気中の酸素が幾らか溶けています。

桶の水量60リットルの濾過には小さ過ぎるペットボトル濾過器ですが、一晩で、青水の濃度が気持ち薄くなりました。
濾過器の砂を洗うと濃い緑色の水になるので青水の原因になっている小さな藻が除かれているのが判ります。

3日間使って、飼育水の透明度がよくならないので物理濾過能力が足りないと思案し、濾過用砂の間に台所で使う排水口用水切り袋の不織布を二重に入れてみました。
ペットボトルで鑑賞魚用濾過器不織布を挟む
目の細かい不織布を二重にしたので水の出が悪くなるかと心配したのですが、水の出に変化はありませんでした。
半日使ってみると、今まで見えなかった桶の底が見えるようになりました。
ペットボトルで鑑賞魚用濾過器不織布半日後の結果
まだ、藻やゴミを除くだけの物理濾過だけですが、日にちが経ってどのくらい効果があるか楽しみです。
エアーポンプの購入費が掛かりますが、材料費が掛からず、単純な構造なので掃除が楽、砂は何度でも洗って使えるのでうまく機能したら言う事は無しなのですが

3日目(2019/04/28)、自作濾過器からの水の出が若干悪くなったので出してみると、濾過用砂の間に挟んだ不織布が緑色の藻がべったり付いてになっていました。 濾過器の掃除が幾ら簡単でも3日では早すぎるので二重にしていた不織布を1枚にしてみました。
その後、水の濁りが落ち着いて来たので不織布を除いて砂だけにして週1で砂を洗っています。