折り紙で作ったモビール
モビールとはつりあいを利用した飾りで、 部屋の装飾に使われるので見たことがあると思います。下図の様に次々にぶら下げて作っていきます。
ぶら下げる物は、三角形の板、四角の板、棒や人形でも、揺らいだら綺麗に見える物がよいのですが、つり合わせることが重要です。 けっこういい加減でもつりあいますが、つり合わなかったら、反対側を重くするとか工夫です。
モビール を作るときに困るのは、何をぶら下げるかですね。
工芸に才能がある方なら木彫りの鳥獣や縫いぐるみ、凝った幾何形などを ぶら下げるのでしょうが、私のようにこの種の才能が無いと本当に困ります。
100円ショップで売っている飾り物をぶら下げれば見栄えの良いモビールが出来ますが、夏休みの自由研究にすると怒られそうです。そこで、紙を折って作ったもの(折り紙)をぶら下げてみることにしました。
折り紙なら誰が作ってもきれいなものが作れますし、自分で考えた 創作折り紙 ならいっそう自由研究に向きそうです。
私は、下の写真の様にオーソドックスに「鶴」「亀」「オットセイ」をぶら下げてみました。
1段目 (一番上)は大きな鶴の背に木綿の縫い糸を接着剤で貼り付けています。
2段目は、向かって右側の鶴の羽根の下に接着剤で糸を貼り付け、その糸の他端を針金の中央に結び、その針金の両端に、鶴と亀をぶら下げてつりあわせています。
一段目の鶴の左羽根に接着した糸は2段目の鶴の背に接着し、2段目の鶴の 左右の羽根には小さな鶴とオットセイをぶら下げています。モビールで難しいのは釣り合いです。
鶴のように左右対処、前後もほぼ対称なものなら中央を糸で吊ればほぼ思うような向きで釣り合ってくれます。
しかし、左右前後が対称でないものの場合は、そのものを細かく分けて質量を量り、 モーメント を計算して釣り合う位置を求めます。今回は計算して求めるほどのことは無いので、亀のように下側から支えられるものは、左写真の様に下から針やボールペンの先のような細い物で支えて形よく止まる位置を探して、そこに糸を貼り付けます。
鶴のように下から支え難いものは、釣り合う位置を推測して糸を仮止めして実際に吊ってみて、良い位置を探すことになります。
針金を天秤にしてその両端に鶴と亀をぶら下げている部分ですが、ぶら下げた亀と鶴は、同質同サイズの 紙で折ったものなので質量が同じなので針金の中央 で釣り合っていますが、質量が異なった場合には中央を支えたのでは釣り合いません。釣り合う場所を探すためには、亀と鶴の質量を測って計算でも簡単に求められますが、実際にぶら下げて探す方が簡単です。
上写真は、ぶら下げる代わりにカッターナイフの刃先で支えて釣り合う場所を探しているところです。
天秤ばかり と同じです。
支える位置は質量が大きい方に近くなり、質量が小さい方から遠くなります。
モビールを作るときのポイントは、下の段から組み立てることです。
モビールは飾り物ですが、工作の他に、釣り合う位置の見つけ方で科学的な研究にもなります。