身近な自然と科学

ポンポン船の作り方

100円ショップで「ポンポン船」の組み立てキット? を見かけました。(2015年時点では売られていません)
買おうかなぁ、とは思いましたが、いい歳してポンポンは恥ずかしいと断念しました。
ポンポンと音がしたら目立つでしょう(笑)

ポンポン船というのは昔の古い映画やドラマに出てくることがあるので知っている方もいらっしゃると思います。
1人2人乗るような小さな船で、「ポンポン」とエンジンの音を響かせながら進む船です。
音は焼玉エンジンから出ます。
焼玉エンジンと言うのは燃料を爆発させるときに焼いた玉を使います。
普通のエンジンは高圧電気を起こし、その火花で爆発させるので発電機と高圧電気発生器が必要ですが、焼玉エンジンはその部分が無いので安価でした。

玩具のポンポン船は音はポンポンと出ますが、仕組みは焼玉エンジンではなく、水が入ったブリキの小 箱をロウソクなどで加熱し、生じた水蒸気で水を押し出してその反作用で船を進めるというものです。
文書で書くと難しそうですが、下図のような造りで、動作も簡単なものです。
ポンポン船のしくみの説明図
ブリキ板で作られた小箱は数ミリの金属パイプと隙間が無いように繋がれていて、遊ぶときはこの中を水でいっぱいにしておきます。
ここで、ロウソクの炎などでブリキの小箱を熱します。
すると、1、箱の中(A)に水蒸気が出来て体積が一気に増えるので箱の中と金属パイプの中の水をパイプを通してBから噴出します。
2、噴出した後はAの部分の気圧が低くなるのでパイプのBの部分から外の水を吸い込み、再び1に戻ります。

玩具のポンポン船は上記の繰り返しで進みますが、ブリキ板で作られた箱の上板部分が薄く、圧力の変化でペコペコ鳴るように作られています。
昔のブリキ玩具は高値で取引されているようですから、大切にとっておけばよかったです。

100円ショップで見かけたものはもっと簡単な造りで、ブリキで作られた箱は無く、下図のようなものでした。

これだとブリキがペコペコする音は出ずに、水蒸気が一気に出るときの音だけでしょうか。
ブリキの箱やその箱に金属パイプを繋げるには半田付けか、金属のロウ付けが必要なので、自作する場合はパイプを曲げる方が簡単に見えますが、パイプを塞がないように曲げるのも非常に難しいです。
細かい砂をパイプにいっぱい入れてからパイプの両端から砂が漏れないようにパイプを潰してから曲げ、曲げた後で砂を除くという方法があります。