身近な自然と科学

連振り子を作る

夏休みの自由研究」の時期だからでしょうか、 100円ショップに「おもしろ実験室 カチカチ振り子(発売元 株式会社 パルス)」 というのがあったので作ってみました。(現在は売っていません)
これはガラス玉(ビー球)を錘として、一方向にしか振れないように2本の糸でぶら下げられた振り子が等間隔に並べられたものです。
連玉振り子の動作説明図
遊び方は、端の振り子1を傾けて隣の振り子2に当てると、振り子1が持っていたエネルギーが振り子2に伝わり、振り子2が振り子3に当たり、振り子2が持っていたエネルギーが振り子3に伝わり、同じように振り子3のエネルギーが振り子4に伝わり、振り子4が振り子5に当たると、振り子5の左隣には振り子が無いので振り子5は振れることによって(錘の位置を上に上げる)
振り子4からもらったエネルギーを受け止めます。

次に左に振れた振り子5は重力によって右に振れ戻し、振り子4に当たり、先ほどとは逆にエネルギーは、4、3、2、と伝わり、右端の振り子1を右に振らせます。
振り子が持っているエネルギーが無くなるまで上記を繰り返して振れ続けます。
(原理は運動量保存の法則によるのですが、工作のページなのでこの法則には触れません。)
エネルギーが無くなる主な原因は、振り子の錘がぶつかり合ってエネルギーを伝えるためにエネルギーの一部が熱や音に消費される。
また、錘の中をエネルギーが伝わるときにも熱として消費されます。

ところで、この振り子の名前ですが、このページでは「連玉振り子」と勝手に言っています。
一般名を何と言うのか知りません。
この種のものは部屋の飾り物として綺麗に作られたものが売られています。
今回買ったものは下の写真(完成したもの)でわかるようにインテリアにこのまま使うにはほど遠く、製品のパッケージに書いてあるとおり実験用です。

連玉振り子の完成写真1
連玉振り子の完成写真2
連玉振り子の完成写真3

使ってある材料は安っぽいですが、別々に買い集めたら税込み105円では作れないと思うので可ですね。
始めから全て自作する場合は、下の図を参考にしてください。
連玉振り子を自作するときの設計図
パルス社のキットでは、振り子を支える棒は竹で、錘は直径16mmぐらいのビー球でしたが、振り子を支える棒を太い針金、ビー玉の代わりに金属球でも出来ます。
夏休みの自由研究の場合は錘の材質(ビー球や金属球など)によって振れが続く時間が異なるか調べるとおもしろいです。
工作の宿題で作る場合は、インテリアとして見栄えの良いものにしたり、錘を鉄球にして電気を使って永久に止まらない振り子に見せかける工夫も楽しいですね。
例えば、端の振り子が止まりかけたら電磁石に電気を流して斜め上方に引っ張り、電磁石に電気を流すの止めるという仕掛けを作ります。
電気の知識と電子部品が要るので簡単では無いですが、机上でいくつかの方法を考えて提出するだけでも、点数がアップしますよ、たぶん。