相加・相乗平均の関係
相加・相乗平均の関係とは
$a\geqq0$、$b\geqq0$ならば $$\dfrac{a+b}{2}\geqq\sqrt{ab}$$ という関係が成り立つというものです
相加・相乗平均の関係の証明
$a\geqq0$、$b\geqq0$ なら直感的に成り立つと思いますが、感じでは証明にならないので
式7の左辺は平方なので負の数でも成り立ちますが、相加・相乗平均の関係式には根号があるので負の数を使うと虚数になってしまうことがあるので、式7でも $0$ 以上です
$$\dfrac{a+b}{2}\geqq\sqrt{ab} \tag{1}$$ $$a+b\geqq 2 \sqrt{ab} \tag{2}$$ $a\geqq0$、$b\geqq0$ なので式2の両辺を平方して $$(a+b)^2\geqq 4ab \tag{3}$$ 式3の両辺から $4ab$ を引いて $$(a+b)^2-4ab\geqq 0 \tag{4}$$ $$a^2+2ab+b^2-4ab\geqq 0 \tag{5}$$ $$a^2-2ab+b^2\geqq 0 \tag{6}$$ $$(a-b)^2 \geqq 0 \tag{7}$$
よって、式1相加・相乗平均の関係は成り立ちます。式7の左辺は平方なので負の数でも成り立ちますが、相加・相乗平均の関係式には根号があるので負の数を使うと虚数になってしまうことがあるので、式7でも $0$ 以上です
知らなけれな思いつきそうもない証明法があります。
$$f(x)=(x-\sqrt{a})(x-\sqrt{b}) \tag{8}$$
という関数 $f(x)$ を作ります。 この関数 $f(x)$ の解の判別式を利用するところにこの証明法の奇抜なところがあります。
$a\geqq0$、$b\geqq0$ ですから関数 $f(x)$ は $\sqrt{a}$ と $\sqrt{b}$ という2つの実数解を持ちます。
$a=b$ の時は実数の重複解を持ちます。
よって、2次方程式の解の判別式 式11は、$0$ 以上になります。
$$f(x)=(x-\sqrt{a})(x-\sqrt{b})$$ $$=x^2-(\sqrt{a}+\sqrt{b})x+\sqrt{ab}\tag{9}$$ 式9の $f(x)$ を2次方程式の解の公式を当てはめると $$x=\dfrac{(\sqrt{a}+\sqrt{b})\pm\sqrt{(\sqrt{a}+\sqrt{b})^2-4\sqrt{ab}}}{2} \tag{10}$$ 2次方程式の解の判別式は式10の根号内 $$(\sqrt{a}+\sqrt{b})^2-4\sqrt{ab}\tag{11}$$
を言います。$a\geqq0$、$b\geqq0$ ですから関数 $f(x)$ は $\sqrt{a}$ と $\sqrt{b}$ という2つの実数解を持ちます。
$a=b$ の時は実数の重複解を持ちます。
よって、2次方程式の解の判別式 式11は、$0$ 以上になります。
$$(\sqrt{a}+\sqrt{b})^2-4\sqrt{ab}\geqq0\tag{12}$$ 式12を整理すると、 $$\dfrac{a+b}{2}\geqq \sqrt{ab}\tag{13}$$ 相加・相乗平均の関係式が得られます。