身近な自然と科学

湿度とは何か?

「湿度」が気になるのは夏季と冬季でしょうか。
夏季は梅雨時のカビ対策や不快指数、冬季はインフルエンザの予防などに湿度は重要な意味を持ちます。

「湿度は何?」と訊かれると「空気中に含まれる水蒸気の割合」と簡単に答えてしまいますが、もう少し厳密に考えてみましょう。 
空気には酸素が約20%、窒素が約80%、幾らかの水蒸気が含まれています(その他の気体も若干含まれていますがここでは無視します)
それぞれの気体は自由に動いているので周囲にそれぞれ力を作用させています。例えば、酸素分子が壁にぶつかれば、壁は力を受けます。 これを分圧と言い、単位体積あたりに含まれる分子数に比例します。
そして、それぞれの気体の分圧の和が気圧になっています。
空気中に存在する気体の分圧の説明図
ここで、水蒸気の分圧を測 り、1立方メートルあたりの水蒸気の量をグラムで表したものが 絶対湿度 といわれます。
これに対して、私たちが「湿度○○%」というときは絶対湿度では無く相対湿度 のことです。

相対湿度は空気中に含むことが出来る水蒸気圧と、実際に含まれている水蒸気圧の比で表されます。
空気中に含むことが出来る水蒸気量は「飽和水蒸気圧」で表され、
相対湿度(%)=実際の水蒸気圧÷飽和水蒸気圧×100
飽和水蒸気圧は温度によって変化(摂氏20度で0.02気圧、摂氏30度で0.03気圧)するので、 気温が低いほど空気中に含まれる水蒸気量は少なくなります。
逆に高温になれば、空気中に含むことが出来る水蒸気量が多くなり絶対湿度が高いにも関わらず、 飽和水蒸気圧が高いので相対湿度が低いという状態になります。