身近な自然と科学

露点の測り方と露点から湿度を求める方法

露点に何の意味があるか?  と言うと、温度計と氷を用意するだけで湿度が測れます。
自作した湿度計に目盛りを付けるときや湿度計の目盛りが合っているか確かめられます。
それと、住宅のカビの原因になる「結露」がどうやって発生するかの実験。
今はこれ以上思いつきませんが・・・

露点の求め方

用意する物
  • ガラスコップ(出来れば透明でガラスが薄い物)
  • 温度計(水温が計れるもの)、寒暖計
    実験に使う棒状温度計2本でよいが出来るだけ誤差の無いもの
  • コップ(使う水を入れておくだけなので何でもよい)
手順
  1. 水を入れたガラスコップに氷を入れ、コップの表面が水滴で曇るようにする(水温を下げる)
  2. 1のコップの曇りが消えるまで水を入れる。(水温を上げる)
  3. 曇りが消えたときの水温を測る。このときの温度が露点。
    このとき、気温も測っておく。

次に下の計算式で 気温と露点での飽和水蒸気圧Pを計算します。
P=610.7+47.05t+0.958×t×t+0.05035×t×t×t ・・・式1
但し、Pの単位はパスカル、t は摂氏での温度
100パスカルが1ミリバールです。天気予報で高気圧や低気圧の気圧をたとえば1000ヘクトパスカルと言いますが、 ヘクトは100を表しているので、ミリバールをヘクトパスカルと呼び変えるだけです。

露点を測って湿度を求めてみた実験

上記の方法とは逆に、表面が乾いている曇りの無いガラスコップに常温の水道水を入れ、 その中に氷を入れて行きながらコップのガラス面が水滴で曇る温度を測りました。 上記の方法では、コップのガラスが僅かに曇ったところで温度を上げて行かないとですが、神業で私には無理だと思いました。 水滴になるほど曇らせたてしまったら乾く温度を測ることになってしまいます。
乾いたガラス面に空気中の水蒸気が水滴になって付く方が観察しやすいのですが、この方法でも氷を入れて水温を下げ、その水温を温度計で測るのは水温に斑が出来て難しいです。
棒状温度計を使う場合は、コップの代わりに実験用のビーカーを使い、磁気攪拌器(マグネチックスターラー)を使い、目を凝らさないと無理なような気がします。

そこで、温度斑を避けるためにガラス表面に水滴が付いたときの温度は赤外放射温度計で水滴が付いたガラス表面の温度を測りました。
露点の測り方ガラスコップに付いた水滴写真
水滴が付いたガラス表面の温度(露点)は、17.6度
室温は、24.9度
この値を、式1に入れてそれぞれの温度で飽和水蒸気圧を求めます。
室温24.9度の飽和蒸気圧P0は、3153.53パスカル
露点17.6度の飽和蒸気圧P1は、2114.42パスカル
空気中の水蒸気圧は露点での飽和水蒸気圧に等しいので
求める湿度は P1÷P0×100 で約67%
露点から湿度を求める実験
今回求めた湿度と上写真の湿度計の値はよく合っていますが、容易に入手できる温度計は誤差が大きいですし、正確に温度を測るのも難しいので、よく合っているのは偶然だと思います。(実験日:2019年6月18日)

自作した湿度計に目盛りをつけるときは、湿度が違っていそうな日時に上記の実験計測を繰り返して目盛りを刻んでいきます。
実際に測って求めた湿度と刻んだ目盛りの間に規則性がありそうなときは、実際に求めて刻んだ目盛りの間はその規則性で目盛っていきます。