つららと太陽の関係
つらら(氷柱)とは、寒中、雪国の屋根の端や、山中にある岩の角から垂れ下がっている棒状の氷です。
雪が降らない地域でも、外にある水道の蛇口に棒状の氷がつくことがあります。
蛇口につく「つらら」は、水道の水が蛇口から少しづつ漏れ、それが零度より低い空気に触れて凍ったものです。
ですから、ツララを作るには、水道管や蛇口が凍結しないようにこれらに凍結防止用のテープを巻いたり、布を何重にも巻きつけ、零度より下がると予報された夜に糸状に水を流し続ければ出来ます。 もちろん、この実験に使う水道は外気に触れる庭に設置されたものです。
水道で作るツララの実験で解るように、水が少しずつ零度より低い外気に触れることが「つらら」の出きる条件です。
山中にある岩の角に出きるツララでは、岩の周囲から滲み出てきた地下水が冷たい外気に触れて出来ます。
屋根の端に出きるツララの原料は屋根に積もった雪です。
屋根直下の部屋の暖気が屋根に積もった雪を少しずつ融かし、その水が傾斜した屋根に沿って流れ落ち、 屋根から落ちるときに冷たい外気に触れて凍り、続いて落ちてくる水がその氷を大きくして棒状にしていきます。
屋根直下の部屋が暖かくなくても、屋根下に入れた断熱材によって部屋の暖気が屋根の雪を融かさなくても、よく晴れていれば、屋根の雪は融けてツララが出来ます。
下図は傾斜した屋根と水平な地面に太陽光が当たった場合です。
1月中旬頃の正午の太陽高度は地域によって異なりますが30度ぐらいです。
屋根が地面から30度傾斜しているとし、太陽光に垂直な面1平方メートルの光は、屋根の約1.15平方メートルに当たり、地面では2平方メートルに当たります。
同じエネルギーを持った太陽光ならば狭い面積に当たった方が温度は早く上がるので、地面に積もった雪より屋根に積もった雪の方が早く融け出し、かつ、気温は地面温度の上昇によるところが大きいので、気温が上がる前に屋根の雪は融け出して屋根の端で冷気に触れて凍ることになります。