晴雨計
今では、気象観測装置の進歩とその整備、および、インターネットの普及によって、自分が居る地点の、数十分後の気象を予測することは気象の素人でも出来るようになりました。
たとえば、「XバンドMPレーダー雨量情報」のサイトを見れば、2,3分遅れの降雨地域が判り、その降雨地域がどちらの方向に進んでいるのかが判ります。
インターネットが無かった頃は、ラジオで放送される気象通報を聴いて天気図を描き、低気圧が接近するから雨になる、高気圧に覆われるから晴れになる、気圧そのものは低くないが周囲よりは気圧が低いから曇りがち、などと予測したものでした。
天気図を作らない、天気図という概念が無い時代では、見える範囲の雲の動きや、動植物の変化によって天気を予測しました。
逆に辿りますが、
- 降雨が近づいてくると空気中の湿度が高くなる
- 猫のヒゲが湿っぽくなる
- ヒゲが行動するときの重要なセンサーになっている猫は不快になる
- 猫はヒゲの付着物を除こうとして前脚でヒゲをこする
猫の様なセンサーを持たない人間は、機械で晴雨を予測しようと考えました。
もっとも簡単なものが湿度計です。 これは猫のヒゲと同じで、天気が悪くなる時は湿度が高くなるという理屈です。
高級な晴雨計になると、気圧の変化で天気を予測しようとしました。
気圧が低くなると地表の空気が上昇します。地表の空気は温かくて水蒸気を多く含んでいるので、 上昇して上空の冷たい空気に触れると水滴や氷になり、やがて落ちて雨を降らせます、という理屈です。
当たる確率は低いですが、晴雨計は装飾品として、また、寒暖計などの一部として売られています。
下写真は私が持っている気圧式の晴雨計です。
雲の下にあるグラフが気圧の変化です。
気圧が下がり続けているので雨を予報しています。天気が回復すると、下写真の様になります。
低気圧や高気圧、台風による接近や通過の場合は気圧の変化で天気の変化を予測できますが、緩やかな天気変化の場合は気圧の変化だけでは予測できません。