RS-232C(EIA574)?

RS-232Cとは、2000年代前半頃までにはどのパソコンにも付いていた外部機器との通信用の規格です。
その後、USBが普及するにつれて多くのパソコンからは姿を消しました。
規格では、RS-232Cの信号線に掛かっている電圧が、-3V~-12Vのときが「1」、 +3V~+12Vのときが「0」を表すとされています。
-3Vより高くて+3Vより低い電圧は、「1」でも「0」でも無いので、 電磁誘導などで信号線にこの間の電圧が誘起されても信号伝送には影響が無いことになります。
このため、RS-232Cは比較的長い距離の伝送に適しています。
欠点は、伝送容量が非常に少ないことです。

今回の話題は、実際のRS-232Cは規格どおりでなくても機能している? という疑問です。
アマゾンなどの通販サイトで、「アマチュア無線機」を検索すると、UV-5R などのBaofeng 社のトランシーバーが出てきます。

Baofeng 社の無線機は、日本の技術基準適合証明を取っていないので、アンテナと電源を付けていたり、容易に付けられる状態にしていると違法無線局の開局となって罰せられます。
改造してTSSなどでアマチュア無線機として保障してもらうつもりが無いのなら購入しない方が賢明です。
それはともかく、BAOFENG "BF-888S" the "20 Euro-UHF-WalkieTalkie" というページによれば、Baofeng のトランシーバーをパソコンに繋いでプログラミングするには、NPNトランジスター2個、抵抗3個で作った回路が必要です。
(Baofeng 無線機のPC接続プログラミングケーブルとして売られているものは、RS-232CをUSBに変換する機能付きです)
RS-232CをUSBに変換する回路図
上図の左側をトランシーバーに接続し(2,5mm3極プラグと3.5mm3極プラグ)、右側はパソコンのRS-232C D-sub 9ピンコネクターに接続します。図中の番号は接続する端子番号です。
この回路では、出力がプラスのときだけ、相手側の入力がゼロ近くまで落ちます。
RS-232Cの規格では、電圧が正負に変化して信号を伝えることになっていますが、上図の回路では、電圧の正ゼロの変化でも信号が伝わることを前提にした回路です。
BAOFENGの無線機を持っていないので正常に信号の送受が出来るのか確かめられませんが、出来るのでしょう。

プログラミングケーブルを自作する場合は、抵抗は3キロオーム前後、トランジスターは小信号用の汎用品が使えるはずです。2SC1815、2SC945など。
小電流低電圧の低速スイッチング回路ですから。