音が出ない5.1chサラウンド番組TS録画ファイルをMKVファイルに変換する

2020年12月21日更新

TS抜きチューナーで、5.1ch番組を録画するときに5.1ch番組が始まってから録画を始めないと、 再生ソフトによっては音声が出なかったり、モノラル音声になってしまう場合があります。
このような場合は、面倒ですが、次のようにすれば、5.1chサラウンド付き動画に戻ります。

方法1

  1. MurdocCutter で、5.1ch番組部分だけ切り出します。
  2. 次に、TsSplitterGUI で、HD動画だけにします。
    TsSplitterGUI 5.1chサラウンド音声の復元
    ここで、HD動画だけにしておかないと次の段階でエラーになる場合があります。
    HD動画部分にはハイビジョン動画だけで無く、字幕も含まれています。動画の画部分をネット上にあるソフトでサイズ変更などをすると字幕は消えてしまいます。
  3. TsTimeKeeperGUIで、HD動画だけにしたTSファイルのタイムスタンプを0からに書き換えます。
    書き換えておかないと、再生プレイヤーに表示される動画の時間と実際の動画の時間が合わなくなります。
    字幕が必要な場合は、この後で、「Caption2Ass.exe」で字幕を抽出してください。
  4. 3で作ったTSファイルから5.1ch音声を取り出すために、BonTsDemux を使います。
    BonTsDemux ですが、私のWin10搭載のPCでは「サイドバイ構成が正しくないため、アプリケーションを開始できませんでした」となってしまいました。 Win10ではどうやっても起動しなかったのですが、Win7ではあっさり起動しました。
    音声出力方式を「強制5.1ch」、エンコード方式を「Demux(aac)」にします。
    BonTsDemuxで5.1chサラウンド音声を抜き出す
    5.1chサラウンドの aacファイルが出来ます。
  5. ここで、h264かh265(hevc)でHD動画を変換してファイル容量を減らします。画面サイズを小さくして変換することも出来ます。
    XMedia Recode が便利です。インテルのハードウェアー・デコーダーQSVも使えます。
  6. このaacファイルとh264などに変換したHD動画を合成します。
    合成には、MkvToolNixを使います。
    MkvToolNix
    先ず、MkvToolNixGuiの上段の入力窓にHD動画を入力し、下段の出力ファイルから音声のチェックを外し、 次に上段の入力窓に5.1chサラウンドの aacファイルを入れます。 すると、下段の出力窓で動画とaacファイルにチェックが入っていることを確認して、下の中央付近にある「start multiplexing」をクリックして合成します。

これで、5.1chサラウンド番組を録画したのに音が出ないTS録画ファイルでも、5.1chサラウンド音声付のh264などに変換してファイルサイズが小さい動画が完成します

方法2

2020年12月21日更新部分

5.1chサラウンドの音楽番組を録画しました。
ところが、VCLで再生してみると、オープニング場面しか音が出ません。
この番組は、5.1chサラウンド、2chステレオ、5.1chサラウンド、2chステレオ、5.1chサラウンドという構成になっていますが、
音が出たオープニング場面は5.1chで次の2chステレオ部分から音が出ません。

そこで、MurdocCutter19g1 で5.1chサラウンド部分だけ切り出しました。
しかし、音が出ません。
真空波動研 でファイルのチェックをしてみると、

[51ch.ts]
[Video][2]
0100 1920x1080 MPEG2 MP@HL 16:9 625line Interlace 29.97fps 24000.00kb/s CBR
0100 1920x1080 MPEG2 MP@HL 16:9 625line Interlace 29.97fps 24000.00kb/s CBR
[Audio][2]
0110 AAC 48.00kHz 2.0ch(2/0 L+R) LC 144.00kb/s
0110 AAC 48.00kHz 2.0ch(2/0 L+R) LC 144.00kb/s
188Pct
[MPEG2-TS] 01:14:59.361 (4499.361sec) / 9,150,190,864Bytes

真空波動研SuperLite 200407 / DLL 200407 Unicode

XMedia Recode で変換してみても、2chステレオ音声チャンネルは存在しますが、音が出ません。
因みに、XMedia Recode は複数のビデオと音声チャンネルが含まれているTSファイルから任意の複数のチャンネルを含む1つのファイルに変換できる優れものです。AAC51chサラウンド音声をドルビーやDTSに変換することも出来ます。

TSファイルで困ったときに意外に役立つのが、TSSniper_0_80_0_600_Freeware です。
TSSniper_0_80_0_600_Freeware
TSSniper_0_80_0_600_Freeware で、音が出ないTSファイルを変換すると、音が出ました。
真空波動研 でファイルのチェックをしてみると、

[51ch.ts]
0100 1920x1080 MPEG2 MP@HL 16:9 625line Interlace 29.97fps 24000.00kb/s CBR
0110 AAC 48.00kHz 5.1ch(3/2 C+L+R+BL+BR+LFE) LC 56.47kb/s
188Pct
[MPEG2-TS] 01:14:58.360 (4498.360sec) / 8,931,415,640Bytes

真空波動研SuperLite 200407 / DLL 200407 Unicode
5.1chサラウンド音声になりました。