Meade DS-60EC 天体自動導入の天体望遠鏡

表題の天体望遠鏡 Meade DS-60 を初めて見たのは今から15年ほど前の2002年、 市内のホームセンターで、天体の自動導入が出来るお手軽望遠鏡としてビデオで宣伝していました。
販売価格は口径60mmにしては高い! と思った記憶がありますが、憶えていません(定価は74500円)。

恒星の見える方向は観測場所の地方恒星時をもとに座標変換して求めるのですが、この望遠鏡は、日時から望遠鏡が選んだ明るい恒星2つか3つを、 手動で望遠鏡の視野に入れることによって望遠鏡の位置を定めています。
特別な方法に思えますが、目盛り環しかない赤道儀架台の望遠鏡では、赤経と赤緯が判っている恒星を視野に入れて望遠鏡の目盛り環を合わせていたので特別な方法ではありません

この昔懐かしい Meade DS-60 天体望遠鏡を中古ショップ見かけました。
動作未確認無保証返品不可で1500円、早速購入しました
天体自動導入天体望遠鏡 Meade DS-60EC
が、天体望遠鏡の架台に12Vと表記されているだけで極性が判明しません。 通常は、芯線がプラス、外側がマイナスなので手持ちの電源を接続しました。
経緯台のランプが点いたのでほっと安心したのですが、鏡筒の向きを変えるハンドボックス(オートスター)の表示板は赤く光ったまま、ボタンを押してもまったく反応がありません。
故障品を買ってしまったのか・・・と嘆いていると、しばらくして、望遠鏡のランプまで消えてしまいました。電源のプラスマイナスを逆接続して壊してしまったのか・・・
電源の接続プラグは、昔の電気製品には芯線がマイナス、外側がプラスというものが多いので極性を間違えて接続して壊してしまったか、と思ったのです。
昔はゲルマニウム半導体を使ったトランジスターが多く使われていたので、増幅回路の都合上プラス接地がよかったようです。 今はシリコンを使ったトランジスターが主流なのでマイナス接地になっています。

壊れたのは電源の方でした。12V1.5Aのアダプターのヒューズが飛んでしまいました。
安定化電源8Vに接続すると、望遠鏡は動き出しました。
天体望遠鏡 Meade DS-60EC のオートスター
最初に繋いだ電源は既定の負荷が掛かったときに12Vになるものだったので、負荷が小さすぎて電圧が高くなりすぎたようです。

さて、古い望遠鏡の上に説明書が無いので肝心の天体を導入する手順が判りません。
ハンドボックスに日時を入力し終わると、カタカナで説明が表示されるのですが、その説明どおりにしても経緯台のホームポジションになりません。
説明によれば、ハンドボックスを使って鏡筒を水平方向に止まるまで回転させ、次に望遠鏡全体を動かして鏡筒の対物レンズを北に向けたときが、ホームポジションになります。
私が入手したものは鏡筒が幾らでも回転してしまいます。回転を止めるモノが壊れているのか、説明が間違いなのか、古い望遠鏡なので手掛かりが見つかりません。

  1. 電源を入れると、望遠鏡で太陽を見ないようにという警告が表示されるので「5」を押し、日時をセット画面に移行するので時計を合わせるように日時をセットします
  2. 日時の設定が済むと、[セッテイ アライメント]と表示されます。ここで、ホームポジションにセットするのですが、既記したように説明どおりにならないので、鏡筒を水平にして北に向けます。
    このとき、方位の目盛り環の「0度」を北に合わせ、高度の目盛りを「0度」に合わせて置くと、地上座標で天体の方向を概値が判ります
  3. [セッテイ アライメント]の表示中に[ Enter ]キーを押します、すると、明るい恒星を見つけて表示するので確認して[ Enter ]キーを押します。
    鏡筒が動き出して表示した恒星の方向に向くので、コントロールボックスの矢印キーを使って望遠鏡の視野の中央にその恒星を入れて[ Enter ]キーを押します。
    再び別の恒星を表示するので、同じことを繰り返します。
    これで、望遠鏡は観測地点での恒星の天球上の位置(赤経と赤緯)と地上座標(方位と仰角)を関係を憶えます
  4. [テンタイ]という項目を選び、見たい天体を選択して行くだけで、鏡筒が選んだ天体のおおよその方向に向きます。
    精度は良くないので視野の広い低倍率の接眼鏡を使い、コントロールボックスの矢印キーを使って視野の中央に移動させてから、必要に応じて倍率を上げます

発売当時高い!と思ったのは正解でした。自動導入が出来るとはいえ、口径60mmでは。その上、プラスッチク製の歯車の噛み合わせが悪いのか、追尾中も「ガタガタ」という音を立てる耳障りな望遠鏡です。