小型水槽では錦鯉は飼えないか

数日前に降った雪が畑や道端に残っている寒い日(2018/02/03)、錦鯉の稚魚が「道の駅」で10匹袋入りで売られていたので買ってきました。
道の駅で袋入りで売られていた錦鯉の稚魚の写真
池はもちろんのこと大きな水槽も無いのに鯉を買ってどうするのでしょう・・・
と、私自身思うのですが、年甲斐も無く「鯉の滝登り」や「鯉のぼり」といった上昇運への憧れかも知れません。

「鯉の滝登り」は鯉が黄河にある竜門の急流を登って竜になるという伝説から来ているので、鯉は急流を好むという印象を抱かせますが、 野生の鯉は泥臭くて食べられない、と言われることから解るように自然界では水流が穏やかで水底には土が溜まっているような所に生息しています。 そして、水温が10度前後より低い期間は餌も食べずに水底でじっとしています。
このような鯉が滝を登って竜になるというのも、目立たない人でも試験に通れば出世出来るいう願望かも知れません。

さて、購入した鯉は手許にあった幅40cm水槽に6匹放しました。
小型水槽に放した鯉の稚魚の写真
水槽内の飼育水を濾過するフィルターは、GEXの商品名「サイレントフロースリム」というモーターで水槽下部の水を汲み上げて濾過剤を通して水槽に戻す方式です。
鯉は水底が好きで、また水深があると大きくなると聞いたので水は少なくしました。濾過器から出る水が落ちて滝の様になるので空気中の酸素が水に溶け込むのを期待しています。
GEX「サイレントフロースリム」の稼働中の写真
小型水槽で多数の魚を飼うときは底面濾過式がよいのですが、砂を入れるので水槽全体が重くなって設置場所に困りますし、底面濾過式のメンテナンスはけっこう面倒なものなので、冬季は餌を食べないこともあって濾過は手抜きです。

⇒観賞魚用底面濾過装置の仕組み

水温が12度ぐらいのときは餌を少し食べましたが、水温が8度台になると濾過器が作る水流に逆らって泳ぐだけで、濾過を止めて水流が無くなると水槽の底でじっとしています。
眠たい子を無理やり起こして可哀想なので濾過器を止めておくことしました。
水温が低い間は餌を食べても上げない方がよいということなので、餌やりも止めておきます。

錦鯉の養魚場の看板が目に入ったので覗いてみました。
川の傍に露天の大きな池が幾つもあり、店舗内には生簀があって価格で錦鯉が分けられていました。
錦鯉の価格というと100万円単位が話題になりますが、一般の人が覗くようなところには数千円から数万円しか泳いでいませんでした。
錦鯉は上から見て対称の模様で色鮮やかのものが高価らしいのですが、素人目にも目を惹かない模様と体色を持って生まれてきた稚魚は肉食魚の餌等になってしまうのですから哀れです。
といって、自然界でも成魚になる前に殆どが魚や昆虫に捕食されてしまうのですから何が良くて何が悪いのかは判りませんが。

養魚場の人は水槽では大きくならないと言うのですが、鯉は鯉ですからそれなりの大きさにはなるのでしょう。 無謀な試みは解っていますが、水槽で飼い切れないほど大きくなっては困ります。
犬のマルチーズを飼っていた頃、コンテストに出す犬は食事制限をして基準内の大きさに合わせると聞いて何と可哀想なことをと憤り、 と我が家のマルチーズは餌をたくさん上げて基準より大きくなりました。
で、今度は錦鯉は本来小さな水槽で飼う魚では無いのに水槽サイズに収まって大きくなっては困ると言う、我ながら身勝手なものです。

さて、養魚場から人手をあまり介さない魚ほど感染症を持っている確率が低いので、この鯉たちも長生きしてくれると思います。 もっとも、錦鯉の寿命は軽く4,50年は越えると言いますから長寿でも困ってしまいますね。