白熱電球や炎から光が発生する理由
光は電磁波です。電磁波は、テレビやスマホで使われている電波のことです。
電波と言うと、トランジスターやICといった半導体素子を使って発生させるものだというイメージが強いので、照明に使われている電球で起きるというと不思議な気がしますね。
通常の電波発生法
電波(電磁波)は、電界を発生させると磁界が発生し、この磁界が電界を発生させ、この電界が磁界を発生させる、というように電界と磁界が交互に発生と消滅を繰り返して伝わるものです。 電界と言うのは「電気的な力」が作用する空間です。
たとえば、銅製のエナメル線に電気を流すと、エナメル線を中心として同心円状に磁界が発生しますが、 磁界が発生したときにその磁界の変化が電界を発生させ、それが今度は磁界を発生させて、というようにこの瞬間だけ電波となって伝わっていきます。
この瞬間だけというのは、エナメル線に流した電気がこの時しか変化しないためにその周囲に発生した磁界も変化しないので、この磁界によって電界が発生しないからです。
エナメル線を何十回何百回と巻いて作ったコイルの中で棒磁石を動かすと電気が発生しますが、棒磁石を動かさなければ電気が発生しないのと同じです。
そこで、継続的に電界と磁界の発生消滅を繰り返させるために、トランジスターなどの半導体を使って電流の向きが周期的に変わる交流をつくって電波を発生させています。
電球による電磁波の発生とは
原子の周りには電子が存在しますが、電子は電子殻と言われる容器の中で電子を収容できる場所が決まっています。その電子の中で居場所を変えられる電子が発光に寄与します。
白熱電球はフィラメントに電気を流して熱を発生させ、この熱で電子を移動させて発光させています。
ロウソクや焚き火から光が出るのも、熱を発生させるのに電気を使わないだけで同じです。
LED電球は、電気エネルギーで電子を直接移動させるので熱を発生させる必要が無く、また、励起状態にする電子の所属する原子を選べば発光する色(波長)を選べます。発光に熱が必要ないので その分のエネルギーの浪費が無いために消費電力が極めて少ないのです。実際のLED電球は、 抵抗がある物に電流を流せば発熱するという摂理に逆らえずに発熱するので、照明用は空冷用のフィンを付けなければならないほど発熱します。
LEDは半導体で作られたダイオードの一種なので、熱くなると電流が流れやすくなって寿命が短くなり、最悪では壊れます。 ですから、照明に使われるぐらいの発光量があるLED照明器具は風通しの良い所に設置するのが基本です。