飛行機の姿勢を安定させる翼の役割
飛行機はなぜ飛べるのか? これがなかなか難問のようですが、 主翼は飛行機を上方に上げる揚力を生み、揚力の大きさは翼の周囲を流れる空気の速さの二乗に比例して大きくなります。空気の速さの二乗に比例して大きくなるので、私たちが強風のときに受ける風圧と同じです。大きなトラックでも横倒しになるときがあるのですから、爆音を立たせて自ら強風を作っている飛行機が飛ぶのも理解できます。
機体を浮かす揚力は風速の二乗に比例するために、ジェット機のように飛行中の速度が速い飛行機は翼が小さくても重い機体を浮かせることが出来ます。
しかし、離陸のときは滑走路上で速度を上げないと浮き上がれませんし、着陸時は速度を落としすぎると滑走路にタイヤを着ける前に揚力が足りなくなって墜ちてしまうことになります。
模型飛行が機体が軽いのに翼が大きい理由は、模型飛行機では実機のような高速が出せないので大きな揚力が得られないためです。
翼にはこの他にも機体を安定させるという重要な働きがあります。
機体を安定させる翼の役割
飛行機は重心を基点にして
- 機首を上下させる揺れ(ピッチング )
- 主翼の先端を上下に振る、或いは機体を回転させようとする揺れ(ローリング)
- 機首を左右に振る(ヨーイング)
機首を上下させる揺れ ピッチング は水平尾翼が持つ空気抵抗が防ぎます。
主翼の先端を上下に振る ローリング には、主翼を水平より角度を持たせてつけることにより安定させる。
機首を左右にふる ヨーイング を防ぐには、垂直尾翼の空気抵抗を利用します
飛行機の進行方向に対して斜めから空気が流れている場合には、垂直尾翼に斜めに空気が当たるために、機体は空気の流れに沿うように向きを変えようとします。
主翼の先端が後ろに向かっている 後退翼 にすると、空気の流れに直角に近い側の主翼によってて生じる揚力が大きくなって、重心を中心とした逆方向の回転力を生じます。