自由研究の手引き:空気鉄砲と水鉄砲
子供用玩具に「空気鉄砲」「水鉄砲」があります。下図で示したように小学生でも作れる簡単な構造です。昔は、筒に細い竹を使ったのですが、今はホームセンターでアクリル製のパイプが容易に入手出来ます。
空気鉄砲は左側図の様にアクリルの筒の一端(先端)に水で濡らした紙(テッィシュペーパー等)を球状にした紙玉を詰め、他端からは同じように球状の紙玉を入れ、木の棒などで図の赤い矢印の方向に押します。
すると、紙玉の間が狭くなるのでその間の空気が圧縮され、圧力に耐えきれなくなった先端の紙玉が飛び出します。
水鉄砲は、アクリルの筒の先端を塞いで小さな孔を開けておきます。
そして、他端から棒に縛り付けた布の塊を入れます。布の塊を棒に縛り付けるのは、棒を赤い矢印の方向だけで無くその逆に動かした時にも布の塊が一緒に動くようにするためです。
水鉄砲で遊ぶには、先ず、バケツなどに水を張って置き、水鉄砲の先端を水の中に入れて棒を引きます(赤い矢印とは逆の方向に動かします)。すると、先端と布塊の間が広がるので容積が増すので内部の圧力が下がり、先端の孔から水が筒の中に入ります。
筒の中が水で満たされたら準備完了です。
水鉄砲の棒を赤い矢印方向にいっきに押すと、筒の中の水が押されて先端の孔から勢いよく出ます
空気鉄砲と水鉄砲からわかること
- 空気は体積を小さく出来る(圧縮出来る)
空気が圧縮されるのは、気体の空気は窒素分子や酸素分子の間が広いので外部から押されるとその間隔が狭くなるからです。このとき、熱を出します。 - 空気の体積を小さくするには力が無くなると体積が元に戻る
始めは棒は弱い力で押せますが、次第に大きな力が必要になり、力が加わらなくなると元の体積に戻る性質は、空気バネとして使われます。
自転車のタイヤに空気を入れる「空気入れ」が、空気が入る度に大きな力が必要になるのも、タイヤの中の空気の圧力が増すためで、 この場合はタイヤが空気バネになって、走行中に路面の凸凹から受ける衝撃を和らげています。 - 体積が小さくなると温度が高くなる(圧力が増す)
- 空気の体積を増やそうとすると圧力が低くなる
- 水は力を加えても体積はほとんど変わらない
- 水は形を変えられる
パスカルの原理
密閉した容器に入れた液体や気体の一部に圧力を加えると、全ての部分に同じだけの圧力が伝わります(パスカルの原理)
パスカルの原理を利用したものに力の変換装置があります。
下記図の様に、細い筒と太い筒をパイプで結合し、圧力で体積があまり変化しない油などの流体を入れて両方の筒に上下に可動できる蓋をして密閉します。
ここで、細い筒の断面積を a 、太い筒の断面積を A として、可動できる蓋に力を加えて油などの流体に圧力Δpを与えると
パスカルの原理により
ΔP=f÷a
ΔP=F÷A
という関係が成り立ちます。
上記2式から
F=A÷a×f
すなわち、油などに同じ圧力を加える場合は油などに接している面が小さいほど小さい力で済み、この時の大きい面で接している方が受ける力は面積比に拡大されます。