身近な自然と科学

100円ショップで買ったサングラスで紫外線を防げるか?

2022年5月29日作成

1千円以上の商品があるので百均ショップとは言えなくなったダイソーでサングラスを買って来ました。
サイクリングをしているときに眼に小さな虫が当たることがあり、虫よけです。
と言っても購入するなら紫外線は防ぎたいので紫外線透過率が小さくて、かつ、視力が悪いので黒や色付きで無いものが条件です。
黒や色付きというのは如何にもサングラスっぽくておしゃれ感はありますが、けっこう曲者です。
先ず、紫外線透過率が同じなら黒や色付きサングラスは可視光透過率が低いので眼の虹彩が広がり多くの紫外線を眼に入れることになります。
次に、黒や色付きサングラスは、可視光透過率が小さいので眼の虹彩が広がり、光彩が狭くなることにより得られる視力が得られなくなります。視力が良い人にはあまり関係無いことですが、視力が悪い人がピンホールメガネでよく見えたり、昼間は裸眼でも夜間よりよく見えるのと同じです。

サングラスに拘りがあるならちゃんとした専門店へ行け! という批判はさておき、ダイソーで「紫外線透過率1%以下、可視光線透過率93%」と表示されているファッション用グラスを買って来ました。
ダイソー ファッショングラス説明書

紫外線透過率1%以下というと凄いと思ったのですが、手元にあった紫外線で文字が浮き上がる「UV TEST CARD」で実験してみました。
紫外線で文字が浮き上がる原理は、紫外線が当たることによってテストカードに塗られている物質の電子がエネルギーを貰い、電子がそのエネルギーを放出するときにそのエネルギーに相当する波長の光を出すことによっています。
この紫外線テストカードは、菌を死滅させ、ウイルスを不活性化させるUV-Cという紫外線を使う除菌ボックスUVC-100に付属していたものです。UV-Cと呼ばれる波長の短い紫外線は、生物にとっては非常に有害ですが、幸いなことにオゾン層に阻まれて地上には降り注いでいません。
UV TEST CARD
左は白色LEDスタンドの直下で紫外線テストカードを撮影、右側は薄曇りの戸外で撮影したものです(2022/05/26 10:13)
白色LEDスタンドの光では文字が浮き出ていませんが、薄曇りでも戸外なら紫外線が降り注いでいることが判ります

問題のダイソーで購入した紫外線透過率1%以下のファッション用グラスです。
ダイソー ファッション用グラスの紫外線 テスト画像
メガネを透過した部分の文字が薄くなっているので紫外線がある程度は防げていると判ります。
下の写真は、紫外線透過率低減を謳って居ない近視用メガネです。
普通のメガネでも文字が多少薄くなっていますが、ダイソーのファッション用グラスの紫外線透過率1%以下には及びません。
普通の近視用メガネの紫外線テスト
しかし、紫外線透過率が1%以下という表示が間違って居なくても薄曇りでも紫外線が透過していますから、晴天の日中や海岸などの紫外線が強い所では過信しない方がよいようです。
最初に書きましたが、可視光線透過率が小さくて、紫外線透過率が可視光線透過率が大きいサングラスと同程度しか無いというのが最悪のサングラスです。