電磁石の原理 コイルに鉄心を入れる理由
小学校の理科の実験で電磁石を作るときには、鉄釘などの鉄棒にエナメル線を何十回も巻きます。また、モーターを作るときにも鉄にエナメル線を巻いて回転子(モーターの回る部分)を作ります。
実験用や模型用だけでなく、電気による磁気を利用する物には磁気利用に適した鉄材が使われています。
電磁石を作るときに、鉄棒にエナメル線を巻く理由です。電磁石を作ったことが有る方はご存じかも知れませんが、コイルの中に鉄棒を入れないと磁力が強くなりません。
コイルに鉄心を入れると、下図のように鉄心の周囲表面に磁化電流と呼ばれる電流が流れ、磁化電流が作る磁場とコイルに流れる電流(真電流)が作る磁場が合わさって磁力が強くなります。
磁化電流はコイルを流れる電流が作る磁場で作られますが、鉄の表面にしか流れず、電流が流れると発生するジュール熱を生じません。
磁化電流が表面にしか流れないのは、鉄部分を原子レベルまで細分化して考えると、下図の様に内部では電流が打ち消し合い、打ち消す電流が無い表面だけ電気が流れ、表面だけに電流が流れるのと同じになります。
磁場は、磁界電流と真電流のそれぞれについてビオ・サバールの法則で求めます。