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電子レンジでの加熱

電子レンジは電波(2450MHz)で食品中に含まれる水分子を激しく振動させ、そのときに出る熱で食品を加熱します。
ですから、加熱が進行して食品中に水分が無くなると発熱しませんし、100度以上の温度にはなりません。
ところが、電子レンジで中華饅頭を温めるときに失敗すると、中の餡が焦げ、饅頭がカチカチに硬くなって食べられたものではなくなります。
下図は電子レンジの模式図です。
電波は永久磁石を使ったマグネトロンという真空管で作られて、金属板で囲まれた電子レンジ内に放射されます。
電波は金属板で反射され、食品の中心部ほど電波が集中します。

その結果、食品の中心部ほど水分子の振動が激しくなって熱が出ます。

一方、食品の外側は電波が中心部ほど集まらないために温度は上がらず、しかも、外側は冷たい外気に触れているために冷めます。
このような理由で、 電子レンジで食品を加熱するときは食品の中心部ほど熱くなります。
そして、更に加熱が進むと食品中の水が蒸発して無くなりますが、中心部の熱や圧力は外に逃げられないために100度以上になって、中心部を焦がします。

電子レンジで卵を加熱すると破裂するのも同じ理由です。
水から卵を茹でる場合は外側固まっていくので破裂しませんが、電子レンジは中心部から熱くなるので内部で水が体積の多い水蒸気になるために破裂します。

アルミ箔などの金属で包んで電波が当たらないようにすれば加熱しませんから、熱くなりがちな食品の角などは場合によってはアルミ箔で包みます。
また、 完全に乾いた海苔などは熱くなりません。
湿気た海苔を電子レンジに入れると乾燥します。海苔は薄いので熱がこもらないので焦げないのです。