野菜の灰汁とり,胡瓜の板ずり,レモンの皮,青菜を茹でる,里芋を茹でる
野菜は切ってから洗うと灰汁が出て美味しくなる
ゴボウ、レンコン、ジャガイモ、サトイモ、ホウレンソウ、タケノコなどのように
アクが強い野菜は、泥や汚れを洗い落としてから切りますが、切った後、再び水に漬けて洗うとアクが出て美味しくなります。
ただし、長時間、水に漬けておくと栄養分や味が出てしまうので短時間です。
キュウリは塩をまぶしてからまな板などの板の上で揉むと、味が染み込みやすくなり、緑色も綺麗に出る(板ずり)
板の上を手で上から押しながら転がすと、胡瓜の表面に細かな傷が付き、そこから塩が内部に入り込んで色が安定する
皮を使うレモンを洗うときは、塩をまぶしてから揉むと色と香りがよく出るようになる
緑色をした葉物野菜は、1から2%の塩水を沸騰させた大量のお湯から茹で、茹で上がったら直ぐに冷水に入れると緑色が鮮やかに出る
野菜の緑色は葉緑素(クロロフィル)です。
葉緑素は長時間加熱すると、葉緑素からマグネシウムがとれ、オキシターゼと呼ばれる酸化酵素の働きで褐色のフェオフィチンに変化します。
この結果、野菜の緑色は長時間の加熱で褪せてしまいます。
色褪せを防ぐには長時間加熱しなければよいので、沸騰したお湯に野菜を入れ、茹で上がったら直ぐに冷水に漬けて野菜の温度を下げます。
ただし、長時間水に漬けると、ビタミンCなどの水溶性の栄養が流れてしまうので短時間にする必要があります。
ほうれん草や蕗などアクが強い野菜は、色褪せを防ぐと同時にあく抜きにもなっています。
野菜の5倍以上の大量のお湯で茹でるのも、野菜を入れたときにお湯の温度が下がるのを少しでも防いで短時間に茹で上がるようにするためです。
お湯に塩を入れるのは、葉緑素の分子の一部が食塩のナトリウムイオンと結びついて葉緑素が安定になって変色を防ぐからです。
また、食塩によって酵素オキシターゼの機能を落とします
サトイモは皮を剥いてから塩をまぶして揉んでから水洗いをする
里芋には粘質多糖類であるムチンが含まれています。
ムチンは煮汁を粘らせ、味の染み込みを悪くさせるので取り除いてから煮ます。
竹串が通るようになるまで茹で、その茹で汁を捨てて新しい煮汁で煮ると味の染み込みがよくなります。
ただし、ムチンは、胃の粘膜の保護、細胞の活性化させるなどの健康に必要な成分なので、取り除かないで煮ることをお勧めします。
家庭料理が健康によいのは、面倒なので料理屋さんのようにムチンなどの有用成分を取り除かないからでしょう。