身近な自然と科学

寒天、ゼリー

寒天に果汁や果物を加えるときは、寒天を冷ましてから入れる

寒天は主にガラクトースという糖類ですが、果汁などを入れて酸性状態にして加熱する、ガラクトースが加水分解を起こして固まり難くなります。
そこで、寒天の温度が60度ぐらいまでに下がってから果汁や果物を入れて固めます。

2色寒天をつくるときは、色の他に寒天の濃度を変える

寒天は固まる温度が高く、固まったものは他の寒天に付き難いので、下層が冷めて固まってから上層部分の寒天を入れたのでは剥がれてしまいます。
そこで、上層で固める寒天は幾分濃度を薄くして、上に浮き上がるようにして2層に分けます。
ゼラチンで2色ゼリーをつくるときは、ゼラチンは寒天に比べて低い温度(20から30度)で溶けるので、 下層が固まってから上層部分を入れても、上層部のゼラチンの熱で下層部の表面が溶け、2層が接着します。

ゼリーにパイナップルを入れるときは、缶詰か一度煮たパイナップルを使う

ゼリーは動物の骨や皮に含まれているコラーゲンを水中で加熱して作ったものなのでタンパク質です。
パイナップルには蛋白質分解酵素プロメリンが含まれていてゼリーのタンパク質を分解して固まらなくさせます。
この酵素は加熱すると機能を失うので、加熱してあるパイナップルを使います。

保存用の寒天料理は寒天の濃度を高くし、長期保存用は砂糖を加える

寒天で固めたものはその99%以上は水です。
そのため、自身の重さや温度の上昇によって水が分離して出てきます。(寒天ゼリーの離漿)
特に寒天濃度の薄いものは離漿(りしょう)しやすいので、つくったら直ぐに食べるようにします。
直ぐに食べられないときは冷蔵庫で保存します。
長期保存が必要なときは60%ぐらいまで砂糖を入れて固めます。
砂糖の分子が水の分子と結合して、水分子が自由に動くのを妨げるので離漿は起きません(羊羹です)