身近な自然と科学

魚介類を洗う、塩抜き、貝の砂だし、昆布だし

魚介類は、海水ぐらいの濃度の食塩水で洗う

魚介類の表面についているぬめりには悪臭や雑菌がついていますが、濃度2~3%の食塩水で洗うと落ちます。
水では落ち難くい他に、浸透圧によって魚介類のうまみが水に流れ出てしまいます。
しかし、魚の切り身は洗ってはいけません。
魚は切り身にする前によく洗います。
切り身でも落としたりして酷く汚れたものは塩水で洗い落としますが、雑菌がついていると思われるものは生食せずに、加熱して食べます。

干し魚や塩漬け魚の塩を抜くときは濃度1%程度の塩水に漬ける

塩分がまったく無い真水に漬けると、浸透圧によって魚のうまみも一緒に出てしまいます。
塩化ナトリウムより、塩化マグネシウムや塩化カルシウムの方が流出するのが遅いので、塩水に漬ける時間が短いと、塩化マグネシウムなどが魚に残って味を悪くします。
塩分を抜きたい量によりますが、塩水で時間を掛けて塩抜きをします。

貝は砂を吐き出させる

アサリやハマグリなどの海に生息している貝は、海水と同じ塩分濃度(3%程度)の塩水に漬け、シジミなどの淡水に生息しているものは真水に漬け、 容器に蓋をして暗くし、常温で、振動などが無い静かな場所に置きます。
このとき、目の粗いザルに貝を入れて、ザルごと塩水に漬けておくと、吐いた砂がザルの目から下に落ちて、貝が再び吸い込むことがありません。

昆布でだしを取るときは沸騰させない

昆布の組織は弱いので、煮てしまうと細胞が崩れて、味を悪く成分や色まで出てしまいます。
昆布を湯に浸けておくと、アルギン酸や海草臭さが出てしまいます。
このため、昆布だしは基本的に水に浸けてとります。
加熱して出汁を取りたいときには、加熱する30分以上前から水に浸けておき、過熱し始めは強火にして一気に35~40度ぐらいまで水温を上げ、 ここで火を弱めて沸騰するまでの時間を8分ぐらいにします。
特に少量の出汁を取るときには沸騰するまでの時間が短くなりがちなので、火を弱めて沸騰するまでの時間を長くとります。