魚を美味しく焼くコツ

魚は焼く直前に塩を振って、強火の遠火で焼く
焼くときは魚の表面と内部の温度があまり違わない方がよく焼けます。
強火で近くで焼くと、表面が直ぐに焦げてしまいます。弱火で近くで焼くと、魚の火が当たらない側は冷たい空気にさらされているので温かくなりませんから均一に焼けません。
そこで、強火の遠火にして、火の当たらない側の空気も温めて焼きます。

火力は叩いても崩れない備長炭のような堅炭が火力が一定なので向きますが、ガス火の場合は焼き網を使って熱が均一に当たるようにします。

魚を焼く30分ぐらい前に軽く塩を振ります(2%ていどの食塩)
これは、魚表面が濃い塩水状態になり、浸透圧で魚の内部の水分を引き出して肉を硬くして崩れ難くするため、また、タンパク質は加熱で固まりますが、塩分があると早く固まるので焼いているときに美味しい肉汁が外に流れ出るのを防ぐためです。
このような作用は、塩化マグネシウムや塩化カリウムの方が強いので、漬物塩のような不純物の多い天然塩や粗塩が適しています。
塩を振ってから長い時間おくと、うまみも一緒に流れ出てしまいます。

焼き網は魚を載せる前に熱くしておきます。
網が熱いと魚の触れた部分が直ぐに凝固して網に魚がつかなくなります。
網などに油を塗っておいても着かなくなります。
また、魚の表面に食酢を塗っておくと、皮のタンパク質が変性して着かなくなります。
網や焼き板に肉がつく現象は、網などの温度が50度以上になると起こりやすくなります。

切り身になった魚を焼くときは、海産の魚は盛り付けたときに表にする皮のある側から焼きます。
これは焼いたときに出る脂肪で表側を汚さないようにするためです。
しかし、川魚は加熱による皮の収縮が大きいので全体が変形しないように、皮側を軽く焼いてから裏側からよく火を通し、最後に皮側から焼いて焦げ目をつけます。
どちらにしても、盛り付けるときに表にする皮側が汚れないように焼くことです。

多くの切り身、或いは魚を丸ごとグリルで焼くときは、焼き終わったらグリルを軽く水洗いしてから次を焼かないと切り身や魚が汚れます。

魚を金串に挿して焼いたときは冷める前に串を回しておく
焼きたての魚は柔らかいので直ぐに串を抜くと身が崩れたり、形を整えるために「うねりざし」をしたときは形が崩れてしまうので少し冷めてから串を抜きます。
しかし、冷めると、串と肉がくっついて離れなくなるので、熱い内に串をねじって回し、肉を離しておきます。