萎れた野菜を生き生きさせる方法

野菜は収穫から時間が経つと萎びると言うか萎れます。
特に葉物野菜に顕著に見られる現象で、これは葉から水分が蒸発し、その結果、細胞内の水が少なくなり、細胞が萎縮してしまうためです。
体内から水が無くなるのは生存の危機ですから根から水分を得られなくなったら葉から蒸発させなければ良いと思う方もいらっしゃると思いますが、植物は葉から水分を蒸発させることによって体内の水を移動させて生命を維持しているので葉からの水分の蒸発を完全に防ぐ仕組みは備わっていないのです。
椿のようにロウ質の葉は蒸散が少ないですが基本的には同じです。

それはともかく、葉物野菜が萎れていると食感が悪いので細胞の張りを回復させてシャキッとさせる方法です。
萎れた大量の野菜を新鮮に見せかける機械が報道されたことがあります。
野菜を入れた大きな水槽に冷たい水を入れ、その水に酸素を補給するためにエアーポンプで空気を水中に入れているだけのものです。
観賞魚用の水槽を大きくし、冷たい水を入れ、観賞魚の代わりに萎れた野菜を入れたイメージです。

こんな大げさな事をしなくても萎れた野菜を水に浸けておけばシャキッとなりますが、夏季は水温が高いので水に氷を入れた方が良いです。
少し手間を掛けられるなら、野菜の切り口で雑菌が繁殖しないように浸ける水の中に少し食酢を入れます。
また、生野菜の細胞は生きているのでエネルギー原としてほんの少し砂糖を入れます。
水の中に酢や砂糖を入れる方法は、花などを花瓶に活けるときに使われる技法と同じです。
キャベツの場合は芯をくりぬき、そこに水を含ませたキッチンペーパーなどを詰めてからキャベツ全体をビニール袋に入れて密閉します。

ところで、野菜が水を吸って生き生きする理由は、野菜の細胞の中に1%弱の塩分が含まれているために浸透圧で細胞内に外部の水が入って行くからです。
根元に近い部分の切り口だけ水に浸けた場合には、葉から水分が蒸散することによって全体に水分が行き渡ることになります