LG21でヨーグルトを作る

胃癌や胃潰瘍を誘発する原因の1つといわれているピロリ菌抑制に有効な乳酸菌を含むヨーグルトが、「明治プロビオヨーグルトLG21」です。(”明治プロビオヨーグルトLG21”は、株式会社 明治 様の商標です)
ピロリ菌はアルカリ性のアンモニアを生成し、強い酸性の胃液を中和することによって胃粘膜の中でも生きていられます。 胃粘膜側から見ればピロリ菌が出すアンモニアや中性化した粘膜に触れる食物などで刺激を受け続けるので潰瘍や癌が発生するリスクが高くなってしまいます。

LG21はヨーグルト市場の中では高価というほどでは無いですし、胃癌が発症するリスクが僅かでも減るなら安いと言えます。しかし、大量消費しようと思うとやはり高い。
興味本位も手伝って、温度調節やタイマーどころか電源スイッチも付いていない「和平フレイズ ソレアード ヨーグルトメーカー SD-161」で、市販のLG21を種菌にしたつもりでヨーグルトを作ってみました。
アマゾンでヨーグルトメーカー

材料は、明治プロビオヨーグルトLG21 1個112グラム
牛乳1000cc 牛乳100% 成分無調整
  1. ヨーグルトメーカーを温めておくために前もって電源を入れておきます
  2. 牛乳を紙パックごと電子レンジで温めます。牛乳パックを立てては入らないので横に倒しました。
    途中で、牛乳パックを転がして温度むらが少なくなるようにします。牛乳の温度が11度のとき500W約5分間で牛乳が40度ぐらいまで温まりました。
    牛乳パックを開封して温度計を入れると庫内高の低い電子レンジの場合は別容器に移し替えないと再び温められませんし、牛乳の中に温度計を入れる場合は温度計を消毒する必要があります。そこで、私が温度測定に使ったのが「赤外線放射温度計」です。
    赤外線放射温度計
    赤外線放射温度計は測定したい物の表面から出ている赤外線で温度を測ります。表面温度なので内部の温度は判りませんが、今回の様に開封せずに温度を知りたいときは非常に便利です
    アマゾンで赤外線放射温度計
  3. ほぼ40度弱になった牛乳パックから150ccほど牛乳を取りました。取った牛乳を飲んでみると人肌ぐらいの温度でした。胃腸が悪いときには適温ですが、温めた牛乳と出されると微温すぎ、もう少し温めて欲しい温度でした。
  4. 牛乳パックを大きく開けて、市販のLG21の蓋を開けて直接牛乳パックに入れます。スプーンなどは使わず、 牛乳や入れるヨーグルトに手指は絶対に触れないようにします。容器に付いて離れないヨーグルトまで無理して入れる必要はありません。(2018/05/30追記)砂糖やグラニュー糖などを入れると、若干塊易くなりますが特に入れる必要を感じませんでした。 グラニュー糖を3グラムから9グラム入れてみましたが甘くなりませんでした。乳酸菌によって分解されたようです。
  5. 牛乳パックの中に種菌になるヨーグルトを入れたら牛乳パックを閉じ、その部分を手指でしかっり押さえて、牛乳パックごとよく振ります。カクテルをつくる時にシェークしますが、そんな感じです。
    ヨーグルトを牛乳に混ぜるためにスプーンなどを使うと、スプーンなどを消毒するのが面倒です。
  6. 牛乳と種になるヨーグルトをよく混ぜたらヨーグルトメーカーに入れました。今回は安価で売られていた牛乳を使いましたが、明治のLG21なので牛乳も明治のがよかったでしょうか(笑)
    ヨーグルトメーカーに種菌になるヨーグルトを入れてセット
    このヨーグルトメーカーは先に触れましたようにタイマーが付いていないので、昔買ったてんとう虫型の簡易タイマーに接続し、ついでに消費電力を計測するワットタイマーも接続しました。室温が20度だったので、近くにあった煎餅の空き袋をかぶせました。袋の内側は銀色に光っているので熱が逃げないかな、と。ついでに薄い夜具も掛けました。
    ヨーグルトメーカーに夜具を掛けて保温
    消費電力は、最初の1時間は12Wぐらいでしたが、8.6~8.7Wで落ち着きました。メーカーが明示している消費電力が8.8Wなのでこんなものでしょう
  7. 8時間後、牛乳パックの外側から放射温度計で測ると、53度。パックを開けて見ると、下記写真の様に塊の上に透明な液体があり、表面温度は43度でした。
    ヨーグルトメーカーで8時間後のできばえ
    温度が高すぎ、秋から春先の室温の低い時季ならともかく室温20度では夜具まで掛けたのが失敗か?
    と思いましたが、とりあえず30分ほど冷ましてから冷蔵庫に入れました

冷蔵庫で一晩寝かせたのが、下記写真のものです。
完成したLG21を種菌にした自家製ヨーグルト
外見はヨーグルトです。食べてみると、甘味料が入っていないプレーンヨーグルトをちょっと酸っぱくした感じです。
市販されているLG21には砂糖と甘味料(ステビア)が入っているので味が違って当然ですが、ちょっと醗酵時間が長かったか、温度も高過ぎたかも知れません。やっぱりマイヨーグルト?

LG21は家庭では作れないのか?

LG21で使っている乳酸菌は通常の空気に含まれる酸素濃度で死滅する乳酸菌を使っているので自家製は無理というのが、株式会社明治の公式見解のようです。 空気に触れると死滅すると言われれば無理かなとも思います。
では、出来たヨーグルトは?という疑問が沸きます。
前回挑戦したときは、雑菌の侵入を防ぐ目的で牛乳パックの明け口を狭いままでしたために、 種ヨーグルトを牛乳パックに入れるときに零してしまって1カップの5分の1ぐらいしか入れられず、そのまま作ってみました。 出来たのは、ちょっと酸っぱい牛乳で少ししか塊が出来ませんでした。
ですから、LG21に含まれているかも知れない別の乳酸菌か、何処からか侵入した乳酸菌が醗酵に関与したとすれば、かなりの量の菌が必要という事になります。
何処からか大量の菌が侵入することは考えられないので、LG21にはLG21以外の乳酸菌が大量に含まれているのか、LG21の自家製が作れたかのどちらかです。酸素に触れると死滅するとしても、空気に触れる表面のLG21乳酸菌は死滅してもそれ以外の場所にある菌は直ぐには死滅しないでしょう。全て死滅するなら製品のLG21ヨーグルトでも開封して食べている間に全て死滅してしまいます。 ただ、空気に触れると死滅するということは、製品のLG21を食べるときはなるべく空気に触れないように一気に食べてしまうのが効果的な摂取と考えられます。
今回作ったヨーグルトに含まれている菌を確認していないので、何の菌が含まれているか不明の「マイヨーグルト」にしておいた方が、このページを書いた私としては無難ですが。

2018/05/01
LG21ヨーグルトを種菌にして、今度はヨーグルトメーカーに夜具を掛けず、内側が銀色の煎餅の空き袋をかぶせただけで8時間セットしました。
室温は約24度で、8時間後、牛乳パックの外側から測った温度は46度、牛乳パックを開けてヨーグルト上部表面は39度でした。

表面に浮く水状のもの(乳清)は前回夜具を掛けた時より少なかったです。味も酸っぱさが控えめになりました。 容器全体から温めるような温度管理をしないと、特に室温が低い冬季は味が安定しないと思いました。

2018/05/19
アイリスオーヤマのヨーグルトメーカープレミアムIYM-012を使って作ってみました。
アイリスオーヤマのヨーグルトメーカープレミアムIYM-012
電子レンジで牛乳を40度ぐらいに温め、牛乳パックから100ccほど牛乳を取り、LG21を1カップを牛乳パックに入れて、牛乳パックの開封口を押さえてシェークします。
そして、42度8時間にセットしてIYM-012に入れ、室温が20度ぐらいだったので夜具を掛けました。
出来上がりは、和平フレイズ SD-161と大差ありませんでした。消費電力は、0.03KWでした。

2018/10/03
乳脂肪分0.6%に惹かれて低脂肪乳飲料で作ってみましたが、タンパク質が3.8%と普通牛乳の半分程度しかないからなのかまったく固まらず、味は乳酸菌飲料のカルピスを水で薄めたような不味さでした。 自家製では低脂肪ヨーグルトを作るのはスキムミルク(脱脂粉乳)を使った方が良いですね。