身近な自然と科学

メダカの簡単な殖やし方

メダカの寿命は短いですが、簡単に殖やすことが出来ます。 しかし、自然では育たないような貧弱な稚魚が生まれることがあるのでそうしたメダカを見たくない方は大きめの水槽(容器)に水草などを多めに入れて自然に増えるのを待ち、これから記す方法等で積極的に殖やさない方がよいです。

採卵の方法

メダカは卵を産むと水草に身体をこすりつけて卵を水草に付着させます。
水草の代わりに市販の産卵用人工水草を使ったり毛糸などで自作したものを使うことがありますが、簡単で失敗の無いのはホテイアオイを使う方法です。

2014年4月13日、発泡スチロールのメダカ飼育箱にホテイアオイを1株入れました。 ホテイアオイの根は、細かく、水中では広がっているので、メダカが卵を産み付ける水草としては最適なのですが、この時は産卵にはまだ早いと思ったのでホテイアオイは水の浄化目的でした。
(水の浄化も考えないと、下写真の様に直ぐに濃いグリーンウォーターになってしまいます)
青水の中を泳ぐメダカの写真
ところが、 その翌日(14日)、ホテイアオイの根に突っ込むように飛び跳ねているメダカが居たので、ホテイアオイを上げてみました。
ホテイアオイ草の根に産み付けられたメダカの卵の写真
上写真の様に、ホテイアオイの根にメダカの卵が付着していました。
(卵の数は14個)
このままではメダカに卵を食べられてしまうので、ホテイアオイごと別の水槽に移すか、卵だけを別の水槽に移さなければなりません。
ホテイアオイ毎を別の水槽に移すのが簡単ですが、代わりにメダカ水槽入れるホテイアオイが無かったので今回は卵だけ別水槽に移すことにしました。
メダカの卵は丈夫なので指先で採ることができますが、指で触れるとカビが生える原因になるので、 ホテイアオイの根に産み付けられた卵を採るには先が細くてまるい塗り箸が最適です。
産み付けられている根の根元の方を箸先で挟み、根の先に向かって箸を滑らせると卵だけ採れます。
メダカの卵に水草に付けるための付着糸が付いているので、箸で卵を挟まなくても卵が箸から落ちることは滅多にありません。
メダカの卵は塗り箸で採取する写真
卵に付いている付着糸は卵を紙などの上で転がして除くのですが、私は付着糸が付いたままの卵を水槽(容量4リットルほどの発泡スチロール箱)に移しました。
が、水温が低かったから、卵に触れたのが悪かったのか、孵る前に卵に水カビが生えてしまいました。

メダカの孵化方法

2014年5月4日
ホテイアオイの根にメダカの卵が10ほど産み付けられていたので、今度は卵に触れないようにして発泡スチロール容器にホテイアオイごと移しました。
よく見ると、中に線状の黒いものが見える卵がいくつもありました。
ホテイアオイの根に産み付けられたメダカの卵
発泡スチロール箱で飼うメダカの写真
孵化用容器には、親メダカの飼育容器内の水を3分の1、ハイポ(チオ硫酸ナトリウム)でカルキを中和した水道水を3分の2ほど入れました。
親メダカの飼育水にはプランクトンが生息しているので稚魚の餌を心配する必要はありません。
西陽の射し込まないベランダに置いて様子を見ることにします。

2014年5月8日
泳いでいる小さな稚魚を9匹見つけることが出来ました。
メダカの稚魚の写真2014/05/08撮影
大きさの比較用に1円玉を浮かべてみると
メダカの稚魚と1円玉の大きさ比較の写真
1円玉の直ぐ右に見えるのがメダカの稚魚です。
試行錯誤しましたが メダカの孵化方法は、ホテイアオイなどの卵を産み付けやすい水草等を入れ、産みつけられた水草等ごと成魚とは別容器に移せばよいです。
ホテイアオイの値の間を泳ぐメダカの稚魚の写真
ガラス容器内の澄んだ水の中で孵化して間もないメダカの稚魚を拡大撮影してみました。
孵化して間もないメダカの拡大写真
2014年5月10日撮影
皮や肉は透明で、スケルトン(骨組み)状態です。色が付いている部分は腺に沿っているのでしょうか。
拡大しないと頭部以外は透き通ってみえますが、孵化後日数が経つに連れて尾の先まで黒くなっていきます。

稚魚の餌は、当初は自然に発生したプランク トンで済ませていましたが、稚魚数が多くなったので、市販のメダカ成魚用の餌を適当な紙片に挟み、その上からペンチで挟み付けて押し潰し、細かくした物を与えました。
餌から出た脂が飼育水の表面に油膜をつくるので、大きなスポイトなどで頻繁に油膜を吸い取ってください。
水面から空気中の酸素が水に溶け込むので油膜の除去は必要です。